オリンピックコンプレックス・インドアエリアで20日行われたウィルチェア・ラグビー予選は、試合開始直後から、日本代表が昨日のアメリカ戦のうっぷんを晴らすがごとく立て続けに得点を重ね、あわてたオーストラリアがすかさずタイムアウトを取るほどのスタートダッシュ。
第一ピリオドは数字的には日本とオーストラリアは11対10と拮抗していたものの、今日は日本代表のディフェンスが光っていた。
アメリカ戦では、得点を取ってもすぐに裏を走られ、速攻を決められるパターンが目についたが、今日は自分たちが得点した後も後ろに下がらず、早い時点で相手にプレッシャーをかけ、パスを出せなくさせるシーンが目についた。
日本は相手ディフェンスを苦にすることなく、逆に時間かせぎをしながら得点する余裕も。
今日のスターティングメンバーの島川・田村のコンビは、スピードと息のあったパスで試合を優位に運び、得点差こそなかなか開かなかったが、思うようなプレーのできないオーストラリア選手は焦りを見せ、イラついた様子になっていた。
そして第4ピリオド。残り1分をきり、45対46で日本リードはしたまま時間かせぎでパスを回していたところを、痛恨のパスミス。
そこから切り替えされ最後14秒というところで同点に追いつかれてしまった。
延長戦は3分だが、最初に点を取ったのはオーストラリア。日本もすぐさま得点して同点にするも、残り44秒でオーストラリアが再び得点し48対47で1点リード。ボールは日本に渡ったが、最後のパスが通らずジ・エンド。
試合はオーストラリアの勝ちで終わった。
勝利目前で同点に追いつかれて、1点差の逆転負けをした日本。
試合後、アメリカ戦の苦敗から、見事に守りを立てなおしたディフェンスの要・荻野は「アメリカ戦では自分自身が押さえられてしまって何もできなかったが、今回は指示ができてそれが効いたと思う」と、守りに関しては納得も「悔しい。経験の差」。
スターティングメンバーで出場の三阪は今回の負けに「オーストラリア相手でもこれだけやれたという自信にもなったし、最後、世界との差も味わった。でもこれで迷いもなくなった」とコメント。
予選最後の相手はニュージーランドだが、ニュージーランドは三阪にとって特別な相手。「チームメートもたくさんいるし、いろんなことを教えてもらった人たち。でも、もうコートの中で教わるつもりはない。彼らに勝って教えてもらったことの恩返しをしたい」と、力強く語った。
参加8ヶ国の中、世界ランク最下位8位の日本だが、確実に世界は近づいている。
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