Paraphoto 特定非営利活動法人 国際障害者スポーツ写真連絡協議会

9月27日 (15:28)

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That's 雑・アテネ! パラフォトスタッフ平野誠樹、記者会見で通訳デビュー

ライター&編集者・角田麻子

 「18:00時にメディアカンファレンスルームでマラソンの記者会見」
 26日に行われたマラソンの現場で、ものすごい数のメディアに圧倒され、ゴール直後の金メダリストを獲得した畑中選手と、銀メダルに終わった土田選手の話しを聞けずに落ち込んでいた私は、「ここで聞かねば人生終わる!」くらいの覚悟で、急ぎ記者会見場に足を運んだ。

 でも記者会見場はなーんとなく閑散。あれだけ会場につめかけていた日本のメディアも数人ばかり。
 直前に表彰式が行われていたとはいえ、6時がすぎても会見は始まる気配もない。
 そんな中、知的障害者サッカーを取材中のパラフォトスタッフ平野君が記者会見場に来ていた。
 ま、とりあえず中で待ちましょうと、彼は電動車椅子を進めて会場内に入ると、会場スタッフが近づいてきて何やら彼と話しあってる。
 なんだ、なんだ? と見守っていると、苦笑した平野君曰く「通訳を頼まれた」とのこと。
 え?と思う間もなく、平野君はスタッフに「来い」とつれられ、記者会見の壇上へ。
 最初の記者会見は視覚障害者マラソンの会見。これは日本人の高橋選手が金メダルを獲得したのだが、メダリスト3選手が並んだ一番左端、高橋選手の横に平野君は座って、通訳開始!
 もー、見てる方はドキドキしたぜ!!!!
 まがりなりにも「国際記者会見」だからね。

 でも高橋選手にはあまり質問もないまま、会見は終了。平野君は高橋選手と握手して、やれやれこんなんでおしまいかと、平野くんのお母さんも「こんなんだったら、もっと質問すればよかったわね」とほっとするやら残念やら。
 でも、まだ続きがあった。今度は車椅子女子。これは金メダル畑中選手と、銀メダル土田選手の日本人2名がおり、質問は日本人記者が日本人選手に質問するのが多かったが、そこは国際記者会見。外国の方から「日本人がマラソンに強い分け」なんて聞かれたり、日本人記者の質問と2選手の答えを、きちんと英語で会場のみなさんに通訳。
 アメリカ人の記者の人は、それを書きとめてたから、やっぱり通訳は大事やね。
 今回は日本人記者からもいくつも質問がとび、通訳大忙しだったのだが、記者はいくつかの質問を一気にするし、答える選手もコメントを切らずに、一気に最後まで言うから、話しの内容をまとめて通訳するのも大変そう。
 とにかく無事、通訳デビュー終了!!
 
 英語、スペイン語、フランス語の同時通訳ガイドのブースがあり、イヤホンから同時通訳が聞こえてくるのだが、それ以外の言語は、平野くんがいなかったらどうするつもりだったんだろう。

 会見語、ギリシャ人ボランティアの女の子たちが、「アノ〜」「アノ〜」を繰り返し言って笑い転げてる。そのうち一人が「日本語の「アノ〜」はどういう意味?」と聞いてきた。
 気付かなかったけど、みんな無意識に連発してたのね。
 のんきというか、ほのぼのというか。
 
 これがアテネ、パラリンピック。

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