「70メートル」という距離を想像してみてほしい。 ジャンボジェット機の全長が70メートル。これじゃあんまりピンとこない…。身近なところでは、山手線の車両は1両が20メートルだから、70メートル先といえば、電車内を3両と半分も歩いた距離だ。 5月に埼玉県障害者交流センターで行われた「2004 ジャパンパラリンピックアーチェリー競技大会」で初めてアーチェリーという競技を見た私は、会場に着いてまずその的の遠さに驚いた。 目の前で行われていた「アーチェリー」というスポーツは、日常ではあまりピンとこない、そんな70メートルも遠くにある1.22メートルの的の、さらにたった12.2センチの10点満点の円をめがけて矢を射ち、的に当て、得点を競うのだ。 自分が放った矢が、山手線の車内を3両以上つっきったその先の、10センチそこそこの的に当たるなんて…!
その70メートルの距離を、都内で実際に自分の目で見て実感できるのが、スポーツメーカー・アディダスが主催する「IMPOSSHIBLE WORLD RECORDS(不可能を超えた世界記録展)」。 7月21日(木)から8月31日(火)まで六本木ヒルズで開催されているこのイベントは、走り幅跳びやウェイトリフティングなど8種目の競技者によって達成された世界記録が、六本木ヒルズ施設内に8つの世界記録がオブジェとして展示されており、その中で、アーチェリーの世界記録も「見る」ことができる。
これらの記録は健常者アスリートの作った世界記録ではあるけれども、アーチェリーは障害者も健常者と同じ条件で戦う種目の1つ。いつ、パラリンピック選手が世界記録を作ってもおかしくない。
オリンピックであれパラリンピックであれ、アスリートたちが脅威の技術と精神力で「不可能」を超えた瞬間こそが、観る者にも大きな驚きと感動を生む。 このアテネでは、どれほどこうした瞬間に出会えるのだろうか。
何度も言うが、アーチェリーでは「70メートル先」の的の中心をめがけて射る。 スポーツ選手って、すごい。
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