聖火ともるオリンピックスタジアムのすぐ横にあるインドア・アリーナにて、18日の午後4時半にスタートした車いすバスケットボール男子のBグループ予選に、日本代表が登場した。
前回シドニー大会では9位だった車いすバスケットボール男子日本代表だが、今大会は前回順位を上回るだけではなく、メダル獲得を視野に入れて、技術・フィジカルプラス、メンタル面の強化もにも取り組んできた。 シドニー後から新しく就任した小川監督の元、監督・選手・スタッフが一体となって練習・合宿を繰り返してきた迎えたこの日。
いよいよアテネ本番を迎え、小川体制の記念すべき第一戦目の相手は強豪国・アメリカ。「本番でどれくらい力を出せるか楽しみ」と語っていたその成果を試すのには申し分ない相手だ。
試合開始後、最初にシュートを放ったのは日本。代表キャプテンでもある大島のシュートはしかしゴールからこぼれた。初戦の緊張からか、少し動きの硬い日本代表にたたみかけるように、アメリカがすかさず切り返し先に点を入れるが、流れはアメリカか…と思う間もなく、大島が再びのシュートチャンスを確実に決めて2対2に。 これが、これから始まるシーソーゲームの幕開けだった。
先手先手を取るアメリカに、まず京谷がミドルシュートを決め9対8の1点差にした第1クォーター残り4秒、是友のシュートが決まり9対10に。日本応援団の大歓声の中、この試合初めてのリードを奪たまま、第1クォーターを終了した。
第2クウォーターもお互い一歩も譲らない接戦のまま、ガードの三宅が確実にミドルシュートを点を決めるなどして23対25で日本がリード。しかし、第3クォーターに入ったあたりで少しずつ日本のシュートミスやファウルによるフリースローを確実に決められるなど、第3クォーター終了時には41対33と大きくリードを許してしまった。
このままでは終われない最終第4クォーター、小川監督は積極的な選手交代で動きを作るを作るもののその差を縮めることができず、54対46でパラリンピック予選の初戦を終えた。
スリーポイントシュートを決めるなど、要所で確実に点を決めていた三宅選手は、それでも試合後、「相手のほうがシュートをねじ込む気持ちが強かった」と自分のシュートを決めることへの気持ちの弱さについてふりかえり、次の予選の相手・ドイツ戦に向けて雪辱を誓った。
小川監督は、負けた悔しさと同様に手応えも感じたようで、すっきりとした顔で「練習と比べるといいバスケだった」とふりかえり、「次のドイツ戦はいけるか?」という記者の質問には、勢いよく「いくしかないでしょう」とコメント。 自分たちが信じてやってきた道に迷いはない。アテネでの戦いは始まったったばかりだ。
【撮影:角田】
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