Paraphoto 特定非営利活動法人 国際障害者スポーツ写真連絡協議会

9月21日 (01:27)

Paraphoto Article

真っ暗闇のアテネ

ジャーナリスト・瀬長あすか

視覚障害のある人たちにとって、ギリシャの街は、とてもバリアフルだ。段差は多いし、道はガタボコ。私が宿泊しているシンタグマ周辺は交通量も激しく、横断歩道を渡るにもひと苦労だ。実際、白い杖をついて歩く観光客を見かけたが、道路を渡ろうにも渡れない。同行者の後ろで萎縮してしまっていた。

パラリンピックの視覚障害サッカー会場(ヘレニコ・オリンピック・コンプレックス内オリンピックホッケーセンター、ピッチ2)まで行くために、シンタグマから地下鉄とバスを乗り継いでいるのだが、その間に視覚障害のある人たちにとって頼みの綱となる「音声案内」は一箇所もない。ホームまで深く下る地下鉄などは、彼らにとって恐怖に違いない。バスの停留所からおりてサッカー場まではだだっぴろい会場内を5分ほど歩く。その道の地面もがたがたしていて「大理石でつくればよかったのに」といやみを言いたくなる。

アテネでは道端で犬によく会うが、そういえば盲導犬は一匹も見ていない。日本でよくみかける「杖を尽いた人が歩く」絵の看板に代わるようなものも全く見かけない。「どうなっているんだ、この街は!」

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