多くの人々が、飛行機でアテネの地を去って行く。28日から30日までの間に、7000人もの人がアテネを去って行ったそうだ。パラフォトの取材スタッフたちの多くは、明け方の飛行機で日本へ出発した。
30日の早朝に帰る組で29日、取材スタッフで記念撮影しようね、と約束したものの、結局、最後まで横浜の写真展会場への送信をして、追われるようにザピオンプレスセンターを後にした。
昨夜は、ヤキニクパーティだった。こともあろうに、発起人のなごやんさんは、ひいきのウィルチェアー・ラグビーの選手のみなさんとシンタグマで飲み会となってしまった。カルフール(大型スーパーマーケット)への買い出しはわたしが行くことになり、見知らぬ街のスーパーマーケットでの買い出しということで緊張した。荷物が重いので、タクシーでアパートのあるアポロノスストリートまで帰ってくる。普段はほとんどタクシーは使わないのだけれども、大事なお客様をお待たせしていたので使う。食材でトランクを使ったのでチップを払った。カルフールでの買い物は36ユーロ、アジアンマーケットのお米6.6ユーロ、帰りのタクシー7ユーロ合計49.6ユーロ。かくして、「はじめてのおつかい」は無事成功した。
約束していたお客様というのは、水泳の金メダリスト河合純一の彼女、絵里子さんだった。5時からの解団式で「彼女をよろしくお願いします」と選手に言われていた。とにかく早く帰らなきゃ、と、思ったが、解団式の会場を出発したのが夜の8時近く、食材を買って帰ると、すでに9時を回っていた。ここギリシャでは、夏だと12時くらいまで夕食というのはごく当たり前のことなのだが、すでに秋も迫り、夜は少し寒い。
ヤキニクパーティは静かに始まった。フライパンで肉を焼いているのだから、あまり雰囲気はない。ヤキニクのたれは日本から持って来たものだが、食材がどうしてもギリシャであったため、どっちつかずでおいしくはなかったかも知れない。いや、どんなひいき目に考えてもおいしくなかった(汗)。それでも、水泳の話、選手の話、アテネの話・・・どれもとりとめもない話をしてなごやかに過ごした。絵里子さんは、ギリシャのキリスト教会の人に、お菓子をもらったといって持って来てくれた。ギリシャ人の手作りというそのお菓子は懐かしいような、控えめな甘さでとてもおいしかった。
たくさんの人数が苦手なわたしは、静かなパーティーにほっと一息。ギリシャに来て、はじめてだと思う。それはたぶん、絵里子さんがいてくれたおかげと思う。この静かなヤキニクパーティに、後から何人かの現地で知り合ったメディアの人がきて少しにぎやかになった。絵里子さんとはあまり話ができなかったものの、彼女のやさしい人柄は十分に感じとれた気がする。絵里子さんは、1日の夕方アテネを出発するという。
翌日の30日、絵里子さんから電話が入った。ヤキニクパーティのお礼だった。横浜で10日まで行っているパラフォトの写真展にも来ると言う。
アテネが結んでくれたつながりをこれからも大切にしたいと思う。
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