9月10日、羽田空港で、パラリンピック選手たちの壮行会が行われた。報道陣から選手によせられた質問には、メダルへの期待がこもるものが多かった。 選手団代表・永尾嘉章(陸上・T54)はじめ、出場経験5回というベテラン選手は「これまでのパラリンピックとアテネはどのように違うか」という質問に次のように答えた。
-----これまでのパラリンピックについて
長尾「アテネ大会は、はじめてオリンピックと一緒に大会運営が行われるということ。その意味で、ルールやドーピング検査が厳しくなってくるので、パラがよりいっそう競技性を帯びて来たということがあると思う。」
南(アーチェリー・ARW1)「わたしは、ソウルから出場していますが、マスコミのとり上げ方が変わって来たことにはびっくりしている。身障者のとり上げ方も変わって来ており、とても感謝すべき方向と思う。」
成田(水泳・S4/SB3/SM4)「取材が多くなった。アトランタでは、終わった後の取材が多かった。そこで、まず『パラリンピックって何ですか?』と聞かれ、の説明をしなければならなかった。今回は、一昨日くらいまで電話取材があり、注目されてきたのはやはり嬉しい。結果を出すと盛りあがると思うので、とり上げていただければと思う」
-----メダルについて
成田「水泳選手900人の中の24人のに本代表で、前回は6個のメダル(自由型・個人メドレー)どちらも自分の記録を塗り替えられればと思う」
河合(水泳・SB1)「メダル、やっぱりみなさん気になるんですかね?オリンピック・パラリンピックはみんなメダルを目指しています。今回7種目で前回より1種目多いです。29歳にしてヤバい。すべての種目でとれるように」
松本(柔道・B3)「頂点を目指すと言う気持ちは全員ある。しかし、結果より経過と考える。結果が評価されるまでの過程を見てほしい」
大城(自転車・B2)「アテネで思い切り競技を楽しみたい。4年間、アテネでの金メダルを目標に頑張ってきた。集中して、全力でがんばりたい」
丹沢(自転車・ガイド)「3年間大城とともにやってきて、一昨年が(選手との)初の国際大会だった。今回は全力でペダルを漕いで金メダルを穫っていきたい」
南「メダルを目指すのは当然。アーチェリーは女子がのびています。」
岩坪団長「パラリンピックではソウル大会での16個の金メダルが最高。ソウルを超えたい」
その他、質疑がつづき、陸上の代表による記者会見も開かれた。
記者会見後の走行会では、選手代表で陸上の永尾嘉章が選手宣誓を行った。その後、坂口厚生労働大臣、小泉純一郎総理大臣、八代英太議員らが出席、挨拶を述べ、各競技団体による決意表明、選手会である日本パラリンピアンズ協会理事長、永瀬充選手(アイススレッジホッケー)が励ました。壮行会は22時まで行われ、来賓も選手たちの中に入って言葉を交わす楽しいひとときがもたれた。
選手たちの出発は、翌午前2時、チャーター便で羽田空港を出発したが、急遽、モスクワを経由して到着。予定より3時間おくれで無事到着したとのこと。
【取材:佐々木、写真:いちのたに】
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