8月15日(日)、大阪でジャパンパラリンピック水泳競技大会が行われた。この大会は、日本の障害者水泳の最高峰の大会であり、アテネへ行く日本代表24人も参加している。アテネにむけ、多くの報道陣も詰め寄せていた。 この日、シドニーパラリンピックで6つの金メダルを獲得した成田真由美(S4・横浜ドリーマー)は、出場した200m自由形(3分9秒7)と150m個人メドレー(2分52秒33)で、それぞれ世界新記録(=自己記録)を更新した。
シドニーパラリンピックでは高校生で初出場し、世界記録をマークした酒井嘉和(SB12)は、100mバタフライで1分4秒52大会新記録を更新した。世界記録は、58秒63(2004年5月・Makarau Raman/BLR)である。 100m自由形で河合純一(SB11)は50メートルを28秒26で通過したが、100メートルで到着した時は1分2秒72と自己記録をクリアできなかった。ターンのタイミングを外さなければ1分を切っていたかもしれない。そうなると世界新記録は56秒57(1996年8月・Morgan John USA)も視野に入ってくる。河合のアテネでの可能性をかいま見るレースだった。 同じ100m自由形で、酒井は自己記録をクリアできなかった。世界記録は55秒42でその差は3秒5。
最年少13歳の山田拓郎(SM9)は、200m個人メドレーで2分35秒79、世界新記録の2分22秒87(2002年12月・Crisp James GBR)を視野に入れた大会新記録だった。また、400m自由形で自己新記録4分42秒7。
7月に京都で行われた水泳大会で、世界ランキング3位に相当する記録を出した中村智太郎(SB7)は、100メートル平泳ぎ1分25秒12で自己記録更新、世界記録まで3秒となる。練習の調子も上々。
秋山里奈(SB11)は、河合、酒井らと静岡での厳しい練習をともにしてきた。しかし、100メートル背泳ぎでは、自己新記録を更新できずにこの大会を終えたが、合宿とこの大会でクリアすべき課題が見えたので、それに向かっていくと明るい表情だった。このクラスはアジア圏には選手が少なく、秋山はつねにひとりだった。結果はどうあれ、アテネパラリンピックでは世界との距離が明らかになるだろう。それを彼女自身がもっとも楽しみにしているということは、頼もしいかぎりだ。
(写真うえから:成田真由美、酒井嘉和、山田拓郎、中村智太郎)
【取材 記事・佐々木のぶえ 写真・よしむらもと 】
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