Paraphoto 特定非営利活動法人 国際障害者スポーツ写真連絡協議会

9月28日 (17:15)

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香港のコーチ

大学院生・Nobuko TANAKA

photo2004年9月21日
香港ナショナルチームは、今回車椅子2名の選手と、知的障害2名の選手(計4選手)、コーチ陣2名でアテネに乗り込んできた。ナショナルチーム、ヘッドコーチのエシー・クウィさんは普段は、知的障害の専門のコーチであるが、身体障害を持つコーチの中に香港政府が認めるコーチの資格を持っている人がいなかったため、今回、エシーさんは両障害のコーチを任されている。

エシーさんによると、現在香港知的障害者スポーツ協会は、年10回のトレーニングコースの機会を設け、学校に出向き卓球に興味がある人材の発掘に努めているという。年齢や卓球競技能力などには特に制限はなく、参加したい人が参加できる仕組みであるとのこと。更に卓球競技の能力が高そうな人には、「競技大会の成績」並びに「ナショナルコーチの推薦」によって、より高いトレーニングを受ける環境をつくっている。高いトレーニングを受けるためには、3段階のレベルに組み込まれなければならない。最も高いAレベル(エリートレベル)、Bレベル(中間レベル)、更に、Cレベル(ビギナー)に分けられ、各々6−8人の選手が対象となっている。

知的障害を持つ選手を通じて、彼女自身も人間として、コーチとして成長させてもらっているとエシーさんは語る。知的障害を持つ選手は、モチベーションを維持すること、勝負に勝とうという野心を持ち続けることが難しいと感じることがあるという。選手とコーチの人間関係は、常にプレッシャーをかけ、逃げ場を作る、その繰り返しであると話す。2000年シドニーパラリンピックでおきた、スペインチームの不正事件により、知的障害を持つ選手はデモンストレーションレベルでの参加となったため、表彰式は競技場ではない場所で、ひっそりと行われた。それでも、エシーさんは、知的障害を持つ選手が卓球競技を行うことは、彼らに自身を与え、人間として成長し、そして社会が彼らを認める機会を作る意味で、大変重要だと語る。まだまだ「Keep Working Hard(もともっと頑張らなきゃ)」と語るエシーさん。コーチとしても、更なる発展をとげることであろう。

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