Paraphoto 特定非営利活動法人 国際障害者スポーツ写真連絡協議会

9月24日 (08:20)

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「持ち点変更」の激震を越えて

なごやん

9月21日、ウィルチェアラグビーの予選最終戦、日本はニュージーランドと対戦して、35-47 で敗れた。

勝敗はまだいい。

勝負以前に、この試合では、「持ち点」の再審査のために、まだ決定が出てない全員をコートに出して戦わなければいけないという、厳しい試合だった。

きちんと審査してもらうためには、やはりそれなりの時間を出場させなければならない。勝負をかけにいった昨日のオーストラリア戦で奮闘した #5 荻野、#9 田村、#8 三阪 は全く出場させることができず、大会直前に3.5点に上がってしまった #7 伊藤 と、3.0点の #4 島川を中心とした、いくつかの急造ラインで戦わざるを得なかった。

もちろん、コートに出た選手は全力で戦っている。しかし、やはり急造ラインゆえのタイミング合わせの難しさ、コンビネーションのもろさが出て、ニュージーランドの激しいプレッシャーもあり、ターンオーバーを重ねてしまう。結局、ニュージーランドの倍以上の16個のターンオーバーを喫してしまった。また、厳しいバックピックにも、車椅子のポジション取りで対抗しようとしたが、かなりやられてしまった。
 

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#4 島川からゴールへのパスを受ける #11 仲里



今回の大会に入ってからの突然の持ち点変更は、いままで IWRF(国際ウィルチェアラグビー連盟)が審査基準を作って審査し持ち点を決めてきたところに、アテネパラリンピック直前になって、IPC(国際パラリンピック委員会)との協議になり、結局、IPC の基準を優先させて審査することにした上で、一定の基準に満たない選手を大会直前に再審査することになったのが原因だ。

主将の #3 福井は、
「昨日のオーストラリア戦でがんばった #5 荻野が、今朝になって 0.5点から 1.0点に上げられてしまい、こっちで作り直したラインがまた使えなくなってしまった。明日の朝に6人の持ち点の審査結果出るが、それによってまた作り直さないといけない。非常に厳しい。
 今日の試合も、この影響で、勝ちに行くためのラインを作ることが難しく、うまくボール運びができず、ターンオーバーを沢山食ってしまった。
 決勝トーナメント初戦のイギリス戦までには、審査結果も確定する。チーム、選手の気持ちは、もちろん、この問題に関係なく前向きだし、強い気持ちでゲームに臨めると思う。チーム一丸となってがんばります。」
と語った。

#7 伊藤や #4 島川ら、主力メンバーも「こんなことはあり得ない。こんなひどい国際大会は経験したことがない。」と、激しい不満を口にする。

IPC や大会側は、この自分たちの決定がどのようにチームや選手に影響するのか、実際の試合内容にどれほどの重大なをもたらすのか、少しでも考えたことがあるのだろうか。おそらく、そんなことなど何も考えずに、官僚的、政治的なプロセスで、杓子定規に動いているだけなのだろう。

しかし、アテネパラリンピックの時間は今しかない。ゲーム開始の笛は鳴ってしまう。チーム、選手は開き直って戦うしか道はないし、もちろん、気持ちを切り替え、きちんとモチベーションを作っているはずだ。決勝ラウンドのイギリス戦は23日正午(日本時間18時)に笛が鳴る。この試合に勝てば、メダルゲーム進出の道が開ける。ここに賭けてくるはずだ。

勝負あるのみ!

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