Paraphoto 特定非営利活動法人 国際障害者スポーツ写真連絡協議会

9月28日 (20:05)

Paraphoto Article

CPサッカー 決勝:Perfect World

ジャーナリスト・平野誠樹

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<ウクライナ対ブラジル 4:1>
 強いものは強いとしか言いようがない。他の表現を見つけることができないのは、純粋にウクライナが冷徹なほど完璧な戦いぶりを今大会、継続して見せつけたからだ。ここまで圧倒的な力の差を目の当たりにすると、ため息しか出ない。このチームが負ける姿を想像することすらできない。もはや誰も彼らの領域には踏み込めないのか。ウクライナのために拓かれた王道をこれからも歩み続けるのであろう。

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ブラジルは前回の乱闘劇で3人の選手が出場停止になり、攻撃の要の9番、守備の要の3番を欠く厳しい状況だった。自ら招いた結果なので仕方ない。その分も気力で戦うしかなかった。ウクライナは、チームの最大の武器である4、10、11番のコンビネーションをもとに一瞬のうちに、勝負を決めにいった。開始2分、10番が角度のない左サイドから豪快にシュートを突き刺し先制する。更に19分、混戦状態から打ったシュートがブラジルのディフェンダーに当たりオウンゴール。早くも敵を圧倒する。

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ウクライナはパスミスすることがほとんどなく、面白いようにボールがつながる。そのうえ4、10、11番がスキあれば瞬時にそこを狙ってくる。ほんの少しでも過ちを犯せば、それは死を意味する。対戦するチームは相当のプレッシャーを感じるはずだ。それが恐怖心に変わったとき、ウクライナの独壇場となる。ブラジルが一回のチャンスを確実にものにして、何とか2対1で前半を終える。

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ブラジルが後半、サッカー王国の意地を見せる。前半いいようにやられていた突破を許さなくなった。相手選手に考える余地を与えることなく、瞬時にプレスをかける。その集中力はウクライナに匹敵するものだった。さすがのウクライナも攻め手を塞がれ、ブラジルの攻勢にあう。それでもウクライナのディフェンスは、変わることのない完璧な統率力を保ち、ゴール前にはまるで分厚い壁があるように感じた。全く集中力が途切れることがない。

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そして46分、ゴールキーパーからのキックが大きくバウンドしたところを10番がヒールで流し、それを今大会最高プレイヤーの4番DUTKO選手が、華麗かつ豪快にゴールに押し込んだ。このプレーには脱帽だ。わずかスリータッチで1点奪ってしまったのだ。その後も全く攻撃の手をゆるめることはない。ロスタイムにブラジルを奈落の底まで突き落とす、とどめの一撃。まさにミスターパーフェクト。強い、とにかく強い。それがウクライナだ。まるではじめからシナリオがあったかのように、ウクライナが優勝を遂げ、白熱した戦いの幕を閉じた。感動をありがとう。

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