<イラン対ウクライナ 2:6> 見たか!これが世界ナンバーワンの実力だと言わんばかりの試合内容となった。王者を本気にさせたイランを褒め称えたいとこだが、ウクライナの強さの前に彼らの健闘は霞んでしまった。イランは2点ビハインドの劣勢から、前半終了間際に2点返し試合をふりだしに戻した。このときは今大会ダークホースのイラン旋風吹き荒れるかと期待したが、ここまでだった。
後半のウクライナは前半とは全く違った。集中力が研ぎ澄まされ、戦闘モード全開になっていた。暴力的な破壊力でイランを粉々に粉砕していく。必死に食らいつくが、追えども追えども、追いつくことができない王者の背中。完全にウクライナの独壇場になってしまった。
特にウクライナのエース4番DUTKO選手を中心とした、10番KABANOV選手、11番ANTONYUK選手の組み立てるトライアングルは脅威だ。絶妙なコンビネーションで横に縦に自由に動きまわり、相手の陣形が崩れたところを一気に侵略する。誰をマークすればいいのか分からないまま、敵は混乱状態に陥り崩壊していく。このチームに待ったをかける挑戦者の到来はいつか。その結末はいかなるものになるのだろうか。
<アルゼンチン対アイルランド 5:2> 両チームにとって準決勝に進出するためには絶対に負けられない1戦だった。そんな緊迫した試合のムードをあざ笑うかのように、アルゼンチンの2トップは遊んでいた。しかしその遊戯によってもたらせられたゴールは見るものを魅了する。
10番のSOSA Mario選手は、相手の股間を抜く南米特有のドリブル、トリッキーなヒールパス、リフティングと様々な技を駆使して、相手をもてあそんでいた。どうやって相手を抜くか、そのことしか考えていないようだ。自己中心的プレーをすることを許されたドリブラーは、レッドカードをもらって退場するまでそのスタイルを貫き通した。あっぱれである。この試合は後半両チームに退場者が出る荒れた試合になった。それは決して上等とは言えない、どんくさいサッカーがお家芸のアルゼンチンペースの試合だったことを物語っている。真面目に戦いを続けるアイルランドには何とも気の毒な試合になってしまった。しかしこれもサッカーなのである。
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