かっけーな!と私の後ろに座っていた男の人二人が連呼している。他に言葉はないのか?と聞きたくなるほど同じ感嘆詞を 使っている。でも多分他にはない、この男に当てはまる言葉は。黒に背番号4と金色で書かれたユニフォームに客席みんな目を奪われていた。チームフェスタ(東京)背番号4島川慎一。笑った顔は素敵だが試合中に見える横顔は鬼だ。ゴールシーンがどの競技と比べても比較的地味であるこの競技の見所は相手の攻撃を止めるこれでもか!というタックル、相手のディフェンスを止めるガード、ゴールへの執念、そして次を読む賢さかと私は思う。背番号4の彼はカウンターから飛び出した相手をゴール直前で追いつきタックルをかましボールを奪い攻めあげる。正面きってタックルが飛んできても留まる。ディフェンダーとそれを止めている味方の間をいつの間にかすり抜けゴールを奪う。相手のパスを片手で止める。誰よりも大きな音でタックルをする。ガード、タックル、コース切り。どれをとっても一流であり、負けていない。かっこいい。強く冷静でかつしなやか。また一つ好きな競技が出来た。彼の専用車椅子の後ろに特攻という文字が光っていたのも見逃せない。三年連続、大会MVPはチームを優勝に導き、観客を魅了した彼に贈られた。そういえば、アテネでは赤い髪の毛で得点王になり、ギリシャ人のおばちゃんを虜にしてたっけ。
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