「厳しい試合でした。気持ちで絶対負けない、何がなんでもと頑張りました」首筋から光る汗。決勝戦の興奮を、そのまま全身から漂わせている。藤本選手は、パラリンピック3連覇を達成した。
藤本選手が語ったとおり、決勝戦は、厳しいものになった。 対戦相手は、スペインのGARCIA del VaLLE David選手。組み手を争いや、足技の掛け合いが続いたが、両選手ともにゆずらず、なかなかポイントが取れない。 結局、試合時間の5分間では勝負がつかず、延長戦にもつれ込んだ。延長戦は先にポイントをとった方が勝者となる。攻めなければならない。
連続して金メダルを手にしている藤本選手は、常にほかの選手から常にマークされてきた存在だ。対戦相手のスペインの選手も、藤本選手を目標に、技を磨き、力をつけてきたに違いない。 藤本選手は、「夏に絞り込んで、必死に練習して、これほど苦戦するとは思わなかった」と語った。
常に挑戦を受けなければならない立場。そして、連覇という目標は、人によっては心理的なプレッシャーにもなりうる。 しかし、藤本選手は、飄々とした雰囲気を漂わせていた。 私の第一印象は、野球の大リーグで活躍するイチロー選手に近い。 「自分の勝利に満足せず、北京もやはり頑張っていきたいです。支えていただいた皆さんに感謝したい」 勝利に微笑んだ藤本選手。 次の目標が、早くも視野に入っている。
【文・写真/河原由香里】
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