9月17日。 ギリシャ、アテネ。
2004年パラリンピックがいよいよ幕を開ける。 夜20時半から始まる開会セレモニーが、この日のイベントだ。
午前7時、私は、10数時間のフライトを終えて、アテネの空港に到着した。天気は、晴れ。乾いた空気。日差しが強くなれば、気温がぐんと高くなりそうだ。
空港から、パラリンピックのメイン会場がある市街地へバスで向かった。街の建物にパラリンピックの開催を祝う旗がなびいている。アテネにくるまでは実感がなかったが、ようやく「いよいよ本番」と気持ちが高まってきた。すでにアテネ入りしている選手たちは、今、どんな気持ちでいるだろうか。
開会式用のメディアチケットが私たちメンバーの人数分より少ない枚数しか入手できず、直前までメディア担当スタッフと入手を交渉しなければならないと事態が発生したが、なんとか開会セレモニーを見ることができた。
スタジアムの中央に据えられた大樹。 屋外ならではの開放感の中、光や花火、ダンスを交えた華やかなパフォーマンスが展開される。 選手入場では、観客たちがウェーブをつくって、盛り上げる。 会場にいるからこそ、観客たちの興奮が肌で伝わってきた。
「アフガニスタン!」 「イラク!」 この国の選手入場では、一段と拍手が高まった。
さまざまな国から来た観客たちが、これらの国で起きている事に思いをはせているに違いない。わずか数人のチームに 多くの人がエールを送っている。
そして、日本。 視覚障害者柔道の松本選手が旗手を務めている。 白いユニフォームがまぶしい。 灯された聖火に、日本選手たちの明日からの健闘を祈った。
【河原由香里】
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