アテネパラリンピック大会−25日 ゴールボール女子日本代表が決勝戦に進出し、アメリカと対戦。1対3で破れた。明日27日現地時間午後4時(日本時間午後10時)から、カナダに破れたフィンランドと3位決定戦を行う。
予選リーグ3位で決勝に勝ち進んだ日本は、予選リーグ2位のアメリカと対戦。 予選ではアメリカに1対6と完敗した日本だが、その後の快進撃の勢いで試合を運べるかが注目されるところだった。 センター浅井三重子選手、ライト直井由香選手、レフト小宮正江選手が先発。前半8分30秒で、直井由香選手から直井由紀選手に交代した。
前半開始1分、前日までの攻めの気迫が見られず、やや堅い動きの日本に、アメリカのクロスボールが浅井、直井の間を抜けてゴール。続けて、同じくセンターとライトの間を狙われ、浅井の手が弾いたボールを直井、小宮がフォローに入るも惜しくもゴールラインを割った。日本は執拗にアメリカの右端を攻撃し続け、アメリカの守りを崩そうと試みたが、守備範囲の広いセンターに阻まれた。前半残り2分、小宮がハイボールを取られ、右隅にクロスボールを決められ、3対0で折り返した。 後半、日本は持ち前の堅い守りで、弾んだボールもすべてセーブし、互いに相手のミスを待つ守備戦となった。後半残り3分30秒で、アメリカがハイボールとペナルティを取られ、小宮がクロスボールで1点を返したものの、試合終了。3対1で日本はアメリカに敗退した。 準決勝のもう一試合は、カナダとフィンランドで行われ、4対2でカナダが決勝進出を決めた。そのため、決勝戦は、アメリカとカナダで行われ、3位決定戦は、日本とフィンランドの対戦となる。
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日本代表女子の予選リーグからの勢いは、まさに旋風だ。しかし、決勝リーグ、メダル獲得という大舞台のプレッシャーを前に、「気合や気力は負けていないつもり」(直井由香キャプテン)だったが、明らかに動きに伸びがなく、「気持ちの方が先に行ってしまった」(小宮正江選手)。 しかし、前回の6対1で完敗したアメリカに、今回は、3対1に失点を抑えた。力負けして後ろに球を弾いて入れられた失点は、わずか1点のみ。 だからこそ、「悔しい、悔しい、本当に悔しい」と、人一倍負けず嫌いの小宮正江選手の目に涙、涙、涙。 果敢に攻めたが、「相手の方が一枚上手だった」(直井由香キャプテン)、「なかなか点数を入れさせれもらえなかった」(小宮正江選手)。 しかし、「小さなミスの積み重ねで3点、取れない球じゃなかった」(浅井三重子選手)とアメリカを射程距離に捕まえた感触を選手らは持った。 明日は3位決定戦。「メダルというより負けたくない」と守りの要センターの浅井三重子選手。また、「負けた悔しさをバネに、気合入れて、声出して、勝って終わりたい」(小宮正江選手)。 選手村への帰りのバスでは、「ギラギラとした反省トーク」(光田真由美アシスタントコーチ)が行われたはず。「やかましジャパン」の所以だ。パラリンピックを目指して5年。ミスや欠点を指摘し合い、分析して、次の勝利に結びつけられるチームワークがある。明日は、フィンランドと3位決定戦。「最後に本当に勝って終わりたい」(小宮正江選手)という選手たちの姿は、「何かをやってくれる」という期待感を抱かせる。
【武藤歌織】
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