日本 4 − 3 ブラジル
試合前から少し表情が硬かった。昨日の疲れか、それとも今日の試合に掛ける意気込みか。ブラジルにはこれまで2連敗してしまっている。メダルに手を掛けるためにはどうしても倒さなくてはいけない相手。ブラジルは各自が機動力もあって、3人の連携もしっかりしている。ただ、昨日のギリシャ戦はまわりの歓声とも戦わなくてはいけなかったが、今日はそれぞれの力のぶつかり合い。日本の応援団もスタンドに陣取っている。
やはりブラジルはシュートが強い。体を当てて止めたボールが、ゴールに吸い込まれてしまう。前半が終わって1−1。後半が始まる前に3人がコートに出てきて何か話し合っていた。その後に少し3人で顔を見合わせて笑顔。ゴーグルを付けていたからお互いの顔を見合うことはできない。ただ、そのときはお互いの顔が見えていたのだろう。何を話し合っていただろうか。
試合が終わって浅井が大きくガッツポーズを上げた。今日の試合は2番の直井由紀が怪我から復帰してきた試合。昨日の試合では背番号2と書かれたパラリンピックのマスコットを試合会場に持ってきていた。昨日は負けられない戦い。そして今日は直井のためにもどうしても勝ちたかった試合。そして、2勝目は大きな意味を持っている。4勝が準決勝へのボーダーラインだとすれば、後はオランダとドイツの試合をどう戦うか。
これからが楽しみになってきた。
日本 1 ‐ 6 アメリカ
カナダとフィンランド、そしてアメリカ。昨日の試合でカナダはアメリカに勝っている。この3つの中では実力的に日本と一番近いと思われるアメリカ。午前中の試合が終わって、今の勢いでいけば勝てない相手ではないのでは。試合を見るまではそう思っていた。
しかし、試合が始まるとその思いが通用しないことを知った。どれだけコースにボールを投げても相手のセンターの7番がはじき出す。7番の守備範囲が広いため、こぼれたボールはサイドの選手がすべてカバーすることができる。身長はそれほど大きい選手ではないのだが、思い切りのいい横っ飛びで日本のボールを跳ね返し、時にはそのままキャッチされてしまう。この選手は今まで見てきた中で一番上手い。体中から自信が溢れている。ゴーグルの下から不敵な笑顔が見え隠れしている。
アメリカの投げるボールは、今まで戦ってきたギリシャ、ブラジルとはスピードが違う。前半はセンターに熊川が、後半からは浅井が入ったのだが、センターが体に当てたとしても、それが弾ききれない。ボールがそのままの勢いでゴールに転がり込む。懸命に声を出してお互いをカバーしているのだが、ほんの少しの声の遅れが、そのまま守備の綻びを生む。アメリカはそれを見逃さず着実にゴールを重ねていく。
終わってしまえば6−1。日本の得点はペナルティーから取った1点のみ。今日の試合からどうやって修正していくか。準決勝への椅子は4つ。そこに勝ち進むためには勝ち点の次に得失点差が絡んでくる。今日のように強豪との戦いにおける1点は準決勝へ進むために重要になってくるかもしれない。
準決勝に行ければ、もう一度アメリカと対戦するチャンスが巡ってくる。ぜひ勝ち残って次こそは勝って欲しい
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