5月15日(土)東京都北区にある国立スポーツ科学センターで、日本パラリンピアンズ協会のNPO(特定非営利活動)法人設立総会が行われ、全国から、競技環境づくりへの意識のあるパラリンピック選手らが集まった。昨年7月、水泳の金メダリスト河合純一選手、アイススレッジホッケーの永瀬充選手らを中心に、パラリンピック参加経験のある選手の会として発足、法人設立のための検討・準備が行われていた。新たに作成された定款による会員の構成は、最後にパラリンピックに出場してから8年以内の正会員と、8年を経過した名誉会員、選手であるなしにかかわらず会を指示する賛助会員の3つからなる。パラリンピック出場後8年以内を現役、正会員と位置づけ、日々変化する競技環境の現状の課題に対応し、選手自身がともに取り組み、意見や、課題解決を共有していこうという意図が見られた。
新役員は、永瀬充(アイススレッジホッケー)、大日方邦子(アルペンスキー)、尾崎峰穂(陸上)、福留史朗(陸上)、竹田賢仁(シットバレー)の5名で、理事長に永瀬充、副理事長に大日方邦子が選出された。準備期間中代表を務めた河合純一(水泳)は、事務局長としてこれまで同様に会の要役として就任した。
この日、設立総会後に、オリンピック水泳の金メダリスト鈴木大地氏の講演会が行われた。鈴木さんは、現在オリンピアンとして、アジア人初の世界オリンピアンズ協会理事を務めている。日本代表という接点をもち、歴史あるオリンピックでの金メダリストは、オリンピックを通じて、参加する喜び、メダルを獲得する喜びを語り、またバルセロナ大会への参加を断念するまでのいきさつ、敗退することの意味についてより多くを学んだことを語った。熱のこもった語り口調は会場に居合わせたパラリンピアンの大きな刺激、励みとなったようだ。
また、会場となった国立スポーツ科学センターは、2001年・東京都北区西が丘に完成、国際大会に出場する多くの日本代表の合宿の会場として利用されている場所である。その施設見学も行われ、種目や障害のクラスの異なる選手達がともに最新のトレーニング設備の案内を受けた。
国立スポーツ科学センターでのスケジュールがすべて終了すると、会場を移しての懇親会が行われ、この1日のイベントの終了は、22時近くとなった。今回、パラリンピック選手の総会への参加者数は正直少なかったが、2部以降はアテネ出場が決定している選手が続々と集まり、選手間での交流がもたれた。これまであまり交流のなかった競技間での交流が促進され、今後の日本パラリンピアンズ協会の役割をかいま見る1日となった。
【佐々木】