今大会、波に乗るアメリカを相手に、地力に勝るノルウェーがどう戦うかに注目が集まった決勝戦は、ノルウェーの逆転劇で幕を閉じた。
先制したのはアメリカ。開始早々の25秒、これまでの勢いそのままに猛然とゴール前に攻め込み、Lonnie Hannahが出したパスにJoe Howardがジャストミート。キレのあるシュートを決め観客をわかせた。ノルウェーもキャプテンのRolf Einar Pedersenを中心にシュートチャンスを数多く作るが、アメリカの体をはったディフェンスに阻まれた。
2ピリ序盤、ノルウェーのパスミスをすかさず拾ったアメリカのDavid Conklinがフリーで持ってあがるがキーパーとの1対1をはずし、さらにその直後にもう一度同じような形でJoe Howardが失敗。ゴーリーRoger Johansenのナイスセーブがノルウェーを救った。
アメリカ1点リードのまま迎えた最終ピリオドは、ノルウェーが猛反撃を展開する。まず7分25秒に縦横無尽にリンクを走るRolf Einar Pedersenが同点弾を、さらに12分46秒にTommy Rovelstadがゴール前の混戦からディフェンスのわずかの隙間を見逃さず弾丸シュートを打ち込んで逆転に成功。その後もアメリカの動きを封じ、再逆転のチャンスを与えなかった。あとがないアメリカは、キーパーを下げ全員で攻撃に参加するが残り1分を切ったところで放ったシュートも得点に結びつかず、終了のホイッスル。ノルウェーの優勝が決まった。
ソルトレークパラリンピック優勝時のメンバーを欠き、未完成なプレーが多いながらもどのチームよりパックへの強い執念を見せたアメリカ。そして、フィジカルの強さ、個人技のうまさ、ホッケーのうまさが光ったノルウェー。プレースタイルが異なるこの二つのチームがトリノに向けてどのように調整してくるか、今後も注目したい。
スコア
ノルウェー×アメリカ 2−1(0−1、0−0、2−0)
●第1ピリオド
0:25 USA Joe Howard (A/Lonnie Hannah)
●第2ピリオド
得点なし
●第3ピリオド
7:25 NOR Rolf Einar Pedersen (A/Tommy Rovelstad)
12:46 NOR Tommy Rovelstad (A/Stig Tore Svee)
シュート数
ノルウェー/19本(4−5−10)
アメリカ/6本(2−3−1)