地元の観客が大声援を送るなか、スウェーデンが冷静な試合運びでカナダを下し3位となった。まずスウェーデンが試合を動かした。まずは9分37秒、Peter Melanderがシュートを決めたその約30秒後、カナダのコンタクトミスからゴール前がぽっかりとあき、すかさずAron Anderssonがパックを押し込んだ。短い時間での連続得点に、カナダの動きが悪くなる。ここまで確実につないできたパスが通らなくなり、ロングパスを出さざるを得ない状況に追い込まれた。2ピリに入っても、スウェーデンペース。10分17秒に2得点をアシストしているMarcus Holmが自らもシュートをねじ込み、試合を決めた。
スウェーデンの勝因は、冷静な試合運びと言えるだろう。決してパワーやスピードに勝っているチームではないが、どんな場面でもフォーメーションを崩さず、ここぞという決定的チャンスでは確実にシュートを決めている「ホッケーのうまさ」が光った試合だった。
前回の世界選手権の優勝チーム・カナダは、ソルトレークパラリンピック、そして今大会も4位と低迷。パラリンピックからメンバーを入れ替え、若返りをはかりつつあるカナダ。それぞれのプレーヤーが自分の役割をきっちりと果たすホッケースタイルには定評がある。大会後は、元チャンピオンのプライドにかけて、トリノに向けて完成されたチームづくりをしてくるだろう。同じくパラ出場権を手にすることができなかった日本にとって、その存在は大きいといえる。
スコア
スウェーデン×カナダ 3−0(2−0、1−0、0−0)
●第1ピリオド
9:37 SWE Peter Melander (A/Aron Andersson、Marcus Holm)
10:02 SWE Aron Andersson (A/Jens Kask、Marcus Holm)
●第2ピリオド
10:07 SWE Marcus Holm (A/Peter Melander、Niklas Ingvarsson)
●第3ピリオド
得点なし
シュート数
スウェーデン/14(6−7−1)
カナダ/11(3−4−4)