5−6位決定戦でイギリスと対戦した日本は、左手のケガでベンチに下がった加藤を欠いたが、予選と同様に序盤からパックを支配し攻めの姿勢を見せた。ところが、先制したのはイギリスだった。1ピリ4分52秒、ゴール前で両チーム入り乱れるなか、こぼれたパックに素早く反応したStephen Thomasが落ち着いてシュート。まずは自分たちが点を取り波に乗りたい日本だったが、逆の展開になったことで浮き足立ってしまった。ディフェンスゾーンから遠藤がスピードに乗ってひとりでイギリスゴール前まで運び、ゴーリーとの1対1になる場面もあったが、ゴールキーパーPhilip Saundersがファインセーブを見せ同点のチャンスを阻んだ。
2、3ピリ目も、イギリスのゴール前でプレーをするが確実なパスを出せない。全員の意識がパックに集中しすぎるあまり、ひとりがパスを受け取ってもそれをフォローしにいく選手がいなかった。細かいパスまわしがことごとく不発に終わり、足の長いパスに頼ってしまうなど悪い癖が見え隠れした。16本のシュートを放っておきながら、最後まで決定打を繰り出すことができなかったのは致命傷だ。3ピリ目、イギリスは1本もシュートを打っていない。日本に攻めの形を作らせておいて自滅を誘い、流れを自分たちに引き寄せた。結果、イギリスは勝利し、世界選手権5位入賞を果たした。
試合後、今の日本代表にとってもっとも欠けていたのは「メンタル面の弱さ」と中北監督は話した。先制点をあげることがどれだけ大切なことか、また国内のゲームとは違うタイムテーブルの国際大会で1試合ごとに集中力を高めること、確実に点をとる重要性を改めて痛感した大会になっただろう。前回世界選手権から2つ順位を落とし、6位という無念の結果に終わった日本。中北監督は「周りに強くなったと言われても、この内容では話にならない。自分も含めて今後、泣き言や逃げは一切許さない。負け試合のあとに、笑っているような選手はいらない。勝ちにこだわるチームづくりのために、トレーニングを強化していく」。選手はミィーティングのあと、目を腫らし無言でロッカールームをあとにした。