パラフォトニュース
記事掲載日:2004/04/09

スレッジ世界選手権を控えて

<日本チームの現状>
 
 長野・ソルトレークパラリンピックと2大会連続で5位という結果に終わった日本チームはその後、中北浩仁氏を監督に迎えた。

 中北監督はこれまでのヨーロッパや北米のチームとの技術面の差はもちろん、「体格の違い」「経験の差」を理由にBクラスに甘んじてきた精神的な弱さを一掃し、ホッケーに対する意識から体力、戦略など、基本から徹底的に指導しなおす改革を開始。月に一度、代表15人を招集し合宿、また海外遠征などを積極的に行い、「勝てるチームづくり」へと体制移行をはかってきた。

 その結果、選手個人に「自覚」が芽生えたことで組織力に磨きがかかり、長野サンダーバーズの上原大祐選手をはじめとする若手選手も台頭してきた。

 中北ジャパンが据える目標は、トリノパラリンピックでのメダル獲得。昨年は、ジャパンパラリンピックで招待チームの韓国に圧勝、3カ国対抗のトリネーションズカップではアメリカチームに勝利し準優勝するなど結果を出してきた。また、若手の成長著しい元世界王者のカナダを相手に1点差で破れたものの、これまでの課題だった後半に驚異的な粘りを見せるなど、成長のあとを見ることができる。

 今回の世界選手権は、A・B両プールとも予選上位2チームには自動的にトリノパラリンピック出場権が与えられる。そのトリノでの出来を占うものとしても大きな意味を持つ大会となる。日本はイギリス、カナダ、アメリカと同じAプール。強豪との連戦となるが、トリネーションズカップでの成績やチームの仕上がり具合の高さからみて、決勝ラウンド進出、そしてメダル獲得も期待できる。

【荒木美晴】

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