【アテネパラリンピック選手強化合宿 in 島県鳴門市〜その2】
徳島県鳴門市で開催されたアテネパラリンピック柔道の強化合宿は、同じ階級の練習相手がいなかったり、仕事や学校との両立で時間がとれないなど、日常の練習環境が十分でない選手たちにとって、実戦的な練習ができる貴重な機会となった。
代表選手に、今回の合宿で感じた印象や、アテネへ向けた抱負などを聞いた。
●「気持ちで勝ちに行く」
66kg級・藤本聰選手
強化合宿の中で、もっとも大きな声を出し、選手たちの先頭にたって練習に取り組んでいたのが、66kg級代表の藤本聰選手(28)だ。パラリンピックでは、アトランタ、シドニーで連続して金メダルを獲得し、アテネで3連覇がかかる藤本選手には、強い気迫を感じさせられる。
「練習中は、聞ける時には一生懸命に聞く。覚える時には覚える。時間を無駄にしないということを心掛けています。今、なにが自分に必要かということを考えて取り組んでいます」と話す藤本選手。
今後の課題は、試合時間の5分間動きつづけられるスタミナをつけること。そして、技によりいっそう磨きをかけることだという。アテネへの抱負は、「気持ちで勝ちに行きます。負けるてたまるかという気持ちです」と語った。
●「得意技の一本背負いを決めたい」
100kg超級・天川敬史選手
体重別の試合形式の練習で、相手と組んだ時にずっしりとしたパワーを感じさせたのが、100kg超級の天川敬史選手(29)だ。
「普段の練習では軽量級の人としかできないので、重量級の相手とできる機会でした」天川選手は、強化合宿の感想をこう話す。
天川選手は、100kg級から100kg超級に階級を上げたこともあり、今はまだスタミナが足りない状態だという。
アテネ大会にむけては、「パワーでは負けるので、動きでカバーして勝負したいです。アテネでは、得意技の一本背負いを決めたいです」と話した。
●「選手たちの仕上がりは順調」
視覚障害者柔道監督・柿谷清さん
アトランタ、シドニーに続き、アテネで視覚障害者柔道の監督を務める柿谷清さんは、代表選手たちについて、「体調もよく、体の動きも、技のキレも良いと感じました。順調に仕上がってきていると思います」と評価した。
仕事の都合で合宿に参加できなかった代表選手がいるため、その選手が練習できているかどうか心配なところはあるが、「代表選手全員に、ひとつでも上を狙ってほしい」と期待を寄せている。
【河原由香里】