9月8日午後(現地時間)リオパラリンピック(ブラジル)初日に、視覚障害柔道の男子60Kg級・廣瀬誠(39歳・愛知県立名古屋盲学校)が銀、藤本聡(41歳・徳島県立徳島視覚支援学校職)が銅メダルを獲得した。
60kg級の広瀬誠は、モンゴルのUugankhuu Bolorma、ルーマニアのAlex Bologaと対戦して決勝にちすすんだ。準決勝後「あと一つです、絶対に勝ちたい」と話していた広瀬だが、ウズベキスタンのSherzod Namozovとの決勝で劣勢に回ってしまった。
「強かった。自分の力を出し切って負けた」と広瀬。試合中、会場からは娘たちの「お父さんばれー!」の声援がたえなかったのを聞いていた。自分の好きなことをやることによって、人生が豊かになれるということを伝えたいと話した。
66kg級の藤本は、1勝1敗で3位決定戦へ進むがお互い技を決めることができず、粘り続けた末、引き分けた試合だった。柔道は、アゼルバイジャン、モンゴル、ウズベキスタンなどを始めとする中東の国々に強い選手が現れている。「世界のレベルが高くなっていく中ではあるが、後4年で逆転のチャンスはある」と話してくれた。
女子48kg級の半谷静香(28歳・エイベックス・グループ・ホールディングス)は、ロンドンパラリンピックより2度目の出場だったが、今回はロシアのドーピング問題による繰り上げ出場で、落ち着かない準備をしての渡航となった。そんな中で挑んだ、3位決定戦・ウクライナとの戦いは、積極的に技を決めようとしたが決まらず、実力差を痛感した。
「相手はヨーロッパ選手権第1位の選手だったから、神風特攻隊の気持ちでのぞみ、散って帰ってきた感じです。実力の差が出ました」と話す半谷。課題も幾つか見え、次につながる試合になった。「4年前より今が進歩している。悔しいが、この試合にでれたことに感謝している」と話していた。
同じく、ロシア選手の出場停止により繰り上げで出場することになった石井亜弧は、1回戦で敗れ、敗者復活戦せブラジルのMichele Aparecida Ferreiraと戦って敗れた。初出場を次のように話してくれた。
「緊張しすぎて、技をかけるタイミグをつかむことができないまま、相手に技をかけられてしまった。ブラジルの選手は聞いていた通り、距離感をとりながら攻めてくる選手で力に差があった。一からやり直して、またパラリンピックの舞台に立ちたい」
リオパラリンピック初日はこのほか、水泳で知的障害の津川拓也(24歳・ANAウィングフェローズ・ヴイ王子)が男子100メートル背泳ぎで銅メダルを獲得し、水泳メダル1号となった。