6月24日、リオ2016パラリンピック競技大会へ出場する日本代表選手の一次発表・記者会見が東京都内の会議室で行われ、15競技に出場する84名の選手と3名の競技パートナー、スタッフ45名、役員17名の総勢149名が発表された。
リオパラリンピックでは22競技が行われ、日本は17競技に参加する。2競技(陸上・トライアスロン)についてIPC(国際パラリンピック委員会)から選手の出場枠が来ていないため今回の発表に至らなかった。8月2日に予定される結団式までにすべての選考が行われる。
高橋秀文氏(日本選手団副団長・日本パラリンピック委員会常務理事)により、選考の経緯について
「各競技団体からは、『1.”活力ある日本”を代表するにふさわしい選手や役員で編成する。2.リオの参加資格を満たしているもの=メダル獲得、入賞の可能性があるもの。3.医学的観点から選手・スタッフとしてふさわしいもの』という、3つの観点から推薦のあった選手・役員について、理事会であらためて2つの側面『1.競技力があるか。国際基準を満たしているか。2.医学的側面。健康面』から昨日審査が行われた」と報告した。
また、高橋副団長は、「最終的な人数は、枠(陸上・トライアスロン)によるが選手100〜115ではと予想している。(前回の)ロンドンは選手134名で、うち陸上43名だった。陸上が占める割合がロンドンを上回らないだろうと思う」と述べた。
大槻洋也氏(日本代表選手団団長/日本パラリンピック委員会強化委員長)は、車椅子テニスの日本代表監督としてアトランタ(1996年)からロンドン(2012年)まで5大会に携わった。
「第一次発表できて嬉しい。何度かパラを経験しているが、今回はパラスポーツにとって重要な大会と感じている。2020東京パラリンピックでパラスポーツがメディアのいろいろな場面で登場するようになり、パラスポーツを知ってもらう機会と考えている。
続いて、目標については、「金メダルランク世界10位=金メダル10個相当になる」と発表した。記者から、「ロンドンよりも少ない選手数になり、高い目標となっている」との指摘に、「ロンドンから比べるとちょっと高いのではと思われるかもしれない目標だが、リオで良い成績を残し、東京へつなげたい。新たに発掘された選手も加わり少数精鋭でのぞみたい」と答えた。
櫻井誠一氏(日本代表選手団副団長/日本パラリンピック委員会副委員長)は、シドニーパラリンピック(2000年)水泳日本代表監督などパラスイムの中心に長く関わってきた。1989年・フェスピック(現アジアパラ競技大会)神戸大会開催を前に、国際大会開催地の競技環境としての可能性を掲げ、神戸に障害者の水泳を根付かせた。リオでの水泳主力選手は、2003年・フェスピックユース(現アジアパラユース)で発掘された選手たちである。
その櫻井氏は、日本の競技環境について「あと10年かかると思う」という。2020で強化費が出たとはいえ、多くのスタッフがボランティアで運営している現状は変わらない。2020後に健常者競技団体といかに連携できるかが鍵となってくると話していた。
リオ2016パラリンピック競技大会 日本代表選手団第一次発表/選手団名簿
http://www.jsad.or.jp/paralympic/news/detail/20160624_000865.html