大規模な寒波の影響なのか、陽射しはあるものの前日より4〜5度低い気温となった新潟デンカビッグスワンスタジアム。9月に開催されるリオパラリンピックの最終選考は、リオへ少しでもランクを上げて近づきたいというトップアスリートらの真剣勝負のステージとなった。
6月5日・大会2日目は、跳躍種目では、大西瞳(ヘルスエンジェルス)が前日の100mでのアジア記録更新に続き、女子走幅跳・F42でも3メートル52の日本新記録を更新した。大西は、NHKのバラエティ番組「バリバラ」でキャスターを務めたり、義足のファッションショーなどでも活躍している。アイドル・アスリートだ。
同じく大腿義足の走幅跳の第一人者、山本篤(スズキ浜松AC)は、5月のリオデジャネイロで行われたテストイベントで6メートル56の世界新記録を更新したが、その後デンマークのライバル、ダニエル・ヨーゲンセンが6メートル67を飛び、僅か18日後に塗り替えられてしまった。
この日の山本の記録は6メートル49にとどまり、世界記録の更新はなかった。「空中での滞空時間を延ばすために、着地を我慢できるよう工夫している。自分が力を発揮するには、あらゆる要素が整っていることが重要だ」と話す。特に観客の掛け声やメディアの報道が山本の跳躍を延ばすには欠かせないという。
また、若手の芦田創(トヨタ自動車)が、男子走幅跳・F47でで6メートル75の日本新記録をマークし、リオパラリンピックへ近づいた。
世界のパラリンピック走幅跳では、下腿義足(T44)の世界記録保持者で義肢装具士でもあるドイツのマルクス・レームが、昨年、ドーハで行われた障害者陸上世界選手権で自身の世界記録を大きく更新する8メートル40を跳んで、大きな話題をもたらしている。リオでの走幅跳は、世界と日本のアスリートの活躍が楽しみな種目となるだろう。