5月14〜15日の週末に山下公園(横浜市)を舞台に開催されるワールドトライアスロンシリーズ横浜トライアスロン開会にあたって、記者会見が開催された。大会はITU国際トライアスロン連合と横浜市が主催し、今年で8回目になる。主催はITU(国際トライアスロン連合)と横浜市などからなる世界トライアスロンシリーズ横浜組織委員会。
トライアスロンは、1970年代にハワイでスイム、バイク、ランの長い距離を順番に行うアイアンマン(鉄人)レースとして、その過酷さに挑戦するスポーツとして考案された。2000年シドニーオリンピックで正式種目となり、今年、リオパラリンピックの正式種目となる。オリンピック、パラリンピックに向けては距離が短くなり、魅せるスポーツとして観客をまき込み、多くの競技人口を増やしている。オリンピック、パラリンピックのレースを「エリート」と呼び、その他は「エイジグループ」と呼ばれる。その過酷なイメージに挑む市民や初心者を受け入れ、誰もが参加出来るスポーツとしてあたらに発展を遂げてきた。
記者会見に出席したパラトライアスリート
記者会見には昨年からパラトライアスロンのトップアスリートも招かれて開催されるようになった。トライアスロンでは、オリンピックチーム、パラリンピックチームが「エリート」として、ともにJTU(日本トライアスロン連合)のもと、一つながりの競技として強化が行われようとしている。
現在、世界ランキング3位・女子PT2アリサ・シーリー(アメリカ)は、陸上競技からの出身。「スイムが弱点だったがトレーニングを重ねた。トライアスロンは各種目でいろんなトレーニングを組み合わせスキルを向上させることができる。3種目うまくバランス良く、発展させ得ることが面白さで、魅力でもある。リオに向けて3種目全体をレベルアップさせ、表彰台に立ちたい!」と意気込みを語った。14日のレースは、日本の秦由加子と2名の参加。「秦選手は何度かともに競った選手。気持ちの良い選手だと思う。会うのが楽しみです」と語った。また、アリサは、横浜に2度目の来日。横浜の景色、環境をとても気に入っていると話した。
ステファン・ダニエル(男子PT4・前腕欠損/カナダ)は、1997年生まれ。トライアスロンを始めて間もないが、すでに世界ランキング2位の実力を持つ。ダニエルは「8歳まで水泳を、13歳から陸上に転向し、高校まで取り組んだ。クロスカントリーランも行っていたことでトライアスロンには転向しやすかった」と、記者の質問に答えて話した。
日本の期待を担う選手として、佐藤圭一(男子PT4・前腕切断/エイベックスグループホールディングス)が参加した。佐藤は、2010年バンクーバーから2大会連続クロスカントリースキーとバイアスロンのパラリンピック日本代表選手。夏冬の競技の移行について尋ねると「冬は筋力をつける練習をしているため、トライアスロンへの移行はしやすく、トライアスロンでの力も発揮しやすい」という。逆は難しいが、難しさも含めて挑戦を楽しんでいると話した。
エリートパラトライアスロンには、リオを目指す世界から58名の障害のあるアスリートが参加する。レースは、14日早朝6時55分からレースがスタートする。
なお、記者会見に先立って行われた、JTU(日本トライアスロン連合)からメディアへの発表は、まず今年から日本電信電話株式会社(NTT)が、ITUと通信コミュニティ分野でグローバルパートナー契約を締結したことだった。リオ後の2020東京オリンピック・パラリンピックを見据え、同社が様々な国際大会のトップスポンサーとなることを意味しているということだ。
(写真:三浦宏之、取材サポート:田中えなみ)