3月10日・競技3日目。ローザフートル・アルペンセンターでは、女子スーパーGのレースが行なわれ、日本からはただ一人、チェアスキーの村岡桃佳(17歳・LW11)が出場した。このレースが村岡の夢であったパラリンピックの初陣だったが、旗門不通過のため失格に終わった。
滑走順は女子のレースの最後だった。連日のごとく続く転倒で半分の選手が無事に競技を終えることができない。荒れたコース状況で、すでに2名がヘリコプターで救急搬送されていた。
初陣を見守る先輩たちには、モニター越しに見えたレースの結末はわかっていたが、彼女が失格を知ったのは、ゴールしてからだった。
「途中で止まることなく、滑り降りてきたのはよかったと思います」と、世界トップを競う鈴木猛史は村岡について話しいれた。
村岡は、父・秀樹さんとともに小さな頃から車いす陸上のクラブチームに参加していた。パラリンピック競技に触れてきたが、スキーを始めたのは、先シーズンからだった。女子の少ないこの競技を選んだ理由は「速くて、格好いいから」。今シーズンは初遠征でワールドカップに出場。異例の早さでパラリンピック日本代表に選ばれた背景には、やはり「最強チーム」を先輩にもち、彼らの導きがあったからに他ならない。常にレースを楽しむことを心がけでいる。
新田、クラシカル・ロング4位
一方、ローラ・クロスカントリーコースでは、バンクーバーパラリンピック金メダリストの新田佳浩(LW6−8)が、得意のクラシカル20kmに挑戦した。
バンクーバー大会後、ソチへむけた記者会見で「すでに自分はチャレンジャーです」と、話していた新田だが、長野パラリンピックから5大会目を迎えるベテラン選手であり、短期間でピークを作れるかどうかに、期待がかかっていた。結果は、4位だった。
レース後、ミックスゾーンで待つ日本の報道陣のところへは立ち寄らず、コースを後にした新田。その時の心境をFacebookのなかで「ゴール後、ミックスゾーン(取材場所)に行こうと思いましたが、スタッフから「良いレースだったよ」と一言。その言葉で、涙が止まりませんでした」と、のべている。
・レースの結果
アルペン(女子スーパーG)
1位 Schaffelhuber Anna LW10-2 (GER) 1:29.11
2位 Loesch Claudia LW11 (AUT) 1:31.20 +2.09
3位 Stephens Laurie LW12-1 (USA) 1:32.09 +2.98
DQ MURAOKA Momoka Gate 18
クロスカントリー(クラシカル20km)結果
新田佳浩 4位 54:10.2 +3:15.1
[優勝:Rushan MINNEGULOV(RUS) 50:55.1]