関連カテゴリ: 周辺事情, 地域, 東京パラムーブメント, 水泳, 神奈川, 競技の前後左右 — 公開: 2016年3月10日 at 8:50 PM — 更新: 2016年3月12日 at 12:09 AM

スポーツ庁・鈴木大地長官が横浜ラポールを訪問!

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横浜ラポールを視察に訪れたスポーツ庁長官・鈴木大地氏。医療、スポーツの拠点に近く、環境が整っていると高く評価
横浜ラポールを視察に訪れたスポーツ庁長官・鈴木大地氏。医療、スポーツの拠点に近く、環境が整っていると高く評価

昨年10月に発足したスポーツ庁の鈴木大地長官が、3月7日、障害者スポーツ文化センター横浜ラポール(横浜市港北区)を訪れ、横浜市長・林文子氏をはじめとする横浜市健康福祉局、横浜市市民局職員などの案内で館内を視察した。

鈴木長官は、競泳の選手として1988年ソウル五輪男子100メートル背泳ぎで金メダルを獲得したオリンピアンであり、昨年スポーツ庁長官に48歳の若さで抜擢されるまでは日本水泳連盟の会長を務め、障がい者水泳との連携強化に貢献している。

横浜市長・林文子を始めとする市役所健康福祉局と横浜ラポール職員らにより館内を視察するスポーツ庁長官・鈴木大地
横浜市長・林文子を始めとする市役所健康福祉局と横浜ラポール職員らにより館内を視察するスポーツ庁長官・鈴木大地

横浜ラポールは、1998(平成4)年に開設された、障害者のスポーツ・文化・レクリエーションの拠点。横浜市だけでなく、周辺地域からも多くの利用者が集まる人気の障害者スポーツセンターとなっている。利用者数は年間約45万人で、大阪長居障害者スポーツセンターと並ぶ全国トップ。その7割が障害のある人で、障害のない人も利用できる。
さまざまな障害に合わせた体づくりやスポーツ指導を受けられると同時に、パラリンピックなどの国際大会をめざす選手やチームなど、横浜周辺地域でのアスリートスポーツの拠点にもなっている。

横浜市の北部に位置し、地上3階地下1階の施設で来館者は広々とした駐車場が無料で使用できる。プール、ボーリングルーム、アリーナ、トラック、ジムなど、一通りの視察を終えた鈴木長官は、横浜ラポール職員たちが用意したさまざまな種類の競技用車椅子を林市長とともに体験試乗した。陸上用レーサー、ハンドバイク、バスケットボール用車椅子、ラグビー用車椅子、サッカー用電動車椅子に試乗し、毎年行われている、横浜パラトライアスロンの国際大会の映像を見ながら、横浜でのパラスポーツの振興状況についてラポール職員から説明をうけた。

車椅子バスケットボール体験。林文子横浜市長と鈴木大地スポーツ庁’官
車椅子バスケットボール体験。林文子横浜市長と鈴木大地スポーツ庁’官
あいにくの雨だったが、日産スタジアムの真横にある屋外グランドを見学。
あいにくの雨だったが、日産スタジアムの真横にある屋外グランドを見学。
スポーツ庁職員と横浜市職員、横浜ラポール職員の意見交換会
スポーツ庁職員と横浜市職員、横浜ラポール職員の意見交換会

鈴木長官の横浜ラポール訪問は、鈴木長官率いるスポーツ庁職員と林文子市長、横浜市、横浜ラポール職員らによる意見交換会で締めくくられた。

【記者との交流】

意見交換会の後、鈴木長官が記者たちの質問に応じてくれた。

ラポールの印象は?

「(横浜ラポールは)リハビリセンター、日産スタジアムなど、スポーツの重要施設の中にありとてもよい環境」

一般の施設がユニバーサルになっていることが重要といわれますが?

「理想は他の施設にも障害者が使える施設があることが望ましいが、障害の種類や程度によると思う。現状ではラポールのような専門の障害者スポーツ施設が利用者も多く有効活用されていると感じている」

現状、横浜の障害者スポーツの専用施設は横浜ラポールのみになる。各区のスポーツセンターで障害のある人が利用することは妨げられないが、障害の種類や程度に沿った指導はない。スポーツを身近にできる障害者とそうでない人がいる現状である。

スポーツ庁のような存在が地域の行政にも必要と思いますか?

「厚労省と文科省で管轄されていたことが、スポーツに関わる上でお互いの議論ができるなどの必要性から、スポーツ庁が発足しているので、地域でも我々のような形が作れたらいいのではないかと思う。自治体の事情があると思う」

2020に向けて、地域でパラスポーツを盛り上げていくには何が必要か?

「リハビリ、医療との連携。実際に障害者のスポーツを行う上では、地域でも障害の知識のある指導者が必要だと思います」

いま、スポーツ庁では、地域の特別支援学校を拠点にしたスポーツの拠点作りを推進するため「特別支援学校等を活用した障害児・者のスポーツ活動実践事業」を進めている。現在、参加する特別支援学校や自治体を募集しているという。横浜市の特別支援学校も参加してはどうだろうか。(下記リンク参照)


パラリンピック競技の強化への取り組み、例えば、鈴木長官も関わったパラ水泳との連携は今後どうなるのか?

「前職の水泳連盟会長在任時に、障害者水泳と連携を深める基盤づくりをしました。2年前、身体・聴覚・知的に分かれていた競技団体を「障がい者水泳協会」としてひとつにし、日本水泳連盟の加盟団体とした。今後については、(障がい者水泳協会)の要望を聞きながら、お互いの連携を深めつつサポートしていきたい」

*****

今年横浜では、5月のパラトライアスロン以外に、7月に初めて、パラリンピック水泳国内最高峰の大会となる「ジャパンパラ水泳競技大会」が横浜国際プール(都筑区)で開催される。
トライアスロン、水泳、いずれもリオパラリンピック直前の国内最終・最重要大会となる。しかし、横浜市民はパラスポーツどころか、2020にすら関心をもつ人が多いと言えない。この両パラスポーツ大会開催の機会に、スポーツ庁にも支援いただきながら、毎年の世界トライアスロンシリーズ、2019年にはラグビーワールドカップ決勝戦が行われる横浜で、2020東京パラリンピックの成功へとつながる横浜地域・市民のパラスポーツへの関心を高めていきたいものである。

【参考】

障害者スポーツ文化センター 横浜ラポール

スポーツ庁

(スポーツ庁ホームページより)
特別支援学校等を活用した障害児・者のスポーツ活動実践事業

映像;鈴木大地スポーツ庁長官 記者会見2015年11月26日
(外国人記者クラブにて/読売新聞運動部・勝俣智子)

映像;鈴木大地 1988ソウルオリンピック 競泳金メダル(背泳ぎ55;05)

映像;横浜ラポール指導員の山川洋さんー共生と相互理解ー(毎日新聞 2015年04月27日)

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