IPCアルペンスキー・ワールドカップ最終戦2日目は、昨日に引き続きジャイアントスラローム(大回転)が行なわれた。この種目の今シーズン最終レースとなる。
女子座位では、昨日の優勝でレッドビブ(※種目別ランキング1位の選手が着ける赤色のゼッケン)を着ることになった村岡桃佳が、1本目2位から逆転で連勝を達成。種目別タイトルも手に入れた。
また男子座位では、大きなミスでタイムをロスしながら、1本目4位に踏みとどまった森井大輝が、2本目にベストタイムを叩き出して3位に浮上。この結果、種目別タイトル争いでも逆転で首位に立ち、村岡選手とともにジャイアントスラローム男女座位の年間チャンピオンとなった。
連勝し、種目別優勝も果たした村岡桃佳
「今日のレースは、初めてレッドビブを着けることになって、朝から怖くて怖くて、どうしようかと思いました。1本目は自分のベストを尽くしきれず、少し守った滑りをしてしまったのですが、結果的に1位の選手と0秒80差の2位につけることができ、ドキドキしながら2本目に挑みました。とにかく攻めようという気持ちでスタートしたものの、旗門設定が難しくてミスをしてしまったところもあり、そういう意味では悔しさはあります。でも、ギリギリのところで1位をとれて、よかったという気持ちのほうが大きいですね。種目別タイトルもとることができましたが、実力的にトップの選手(※ドイツのアナ・シャッフェルフーバー選手)がこの最終戦に出てきていないので、まだ本当の壁は厚くて高いと感じています。それでも、こうしてトップ争いができるようになってきたことで、自分も少しは成長できているのかなと自信につながりましたし、何よりもすごくうれしいです」
連日の3位で、種目別優勝も手にした森井大輝
「1本目の途中でミスをして、大きく減速してしまったのですが、2本目は志渡ヘッドコーチがセットした旗門だったので、いつもの練習どおりに滑れば大丈夫だと思って臨みました。実際は、練習よりもはるかに難しかったのですが(笑)、それでもターンの正確さを求めるセットだったので、僕の技術に合うはずだと自信を持ってスタートしました。結果的に2本目のベストタイムを出せて、それはすごくよかったなと思っています。そして今シーズンは、久しぶりに大回転のクリスタルトロフィー(※年間チャンピオンに授与される)がとれました。ここ数年、大回転はやや低迷ぎみだったのですが、シーズンの最後まで調子良く戦うことができて、こうしてタイトルをとれたことがすごくうれしかったです」
【日本選手成績】
《女子座位》
1位 村岡桃佳(早稲田大学)
《男子立位》
8位 三澤 拓(SMBC日興証券)
12位 東海将彦(※個人参加)
2本目途中棄権 小池岳太(JTBコミュニケーションズ)
《男子座位》
3位 森井大輝(トヨタ自動車)
9位 鈴木猛史(KYB)
1本目途中棄権 夏目堅司(ジャパンライフ)
不出場 狩野 亮(マルハン)
記事=日本障害者スキー連盟
写真=堀切 功/日本障害者スキー連盟