IPCアルペンスキー・ワールドカップ最終戦のレース初日、ジャイアントスラローム(大回転)が行なわれた。世界的なスノーリゾートとして知られるアスペンに用意されたのは、日本のレースではお目にかかれないほど複雑な地形を持ち、一瞬たりとも気を抜けない難コース。今シーズンの覇者を決める舞台にふさわしい条件が整ったレースとなった。
そして、日本選手も初日から活躍を見せてくれた。まず、女子座位カテゴリーで村岡桃佳選手が優勝。1本目で2位以下を突き離し、そのまま逃げ切る堂々たるレース運びでの勝利だった。
また、男子座位カテゴリーでは森井大輝選手が、1本目6位から2本目で挽回し、合計タイムで3位にジャンプアップ。総合ランキング首位を走るベテランらしい落ち着いた対応力を示したレースをした。
優勝した村岡桃佳選手
「天気も良く、コース状況も良かったんですけれど、地形や旗門の設定がすごく難しくて、大変なレースでした。でも、滑っていてすごく楽しかったです。1本目でトップに立ち、2本目は絶対に負けたくないという気持ちでスタートしました。ワールドカップのポイント争いも競っているので、明日も思い切り、自分で満足できる滑りができるように頑張ります。今日も満足といえば満足なんですけれども、2本目にベストタイムを出せなかったことが悔しいですね。明日は2本とも揃えて、完全勝利をめざしたいと思います」
3位に入った森井大輝選手
「これだけ斜面変化に富んだ難しいコースはなかなかないので、攻めたいという気持ちがありながら、1本目はどこか滑りが消極的になってしまい、攻めきれませんでした。それでも2本目でなんとか巻き返して、表彰台にからむことができてホッとしています。明日は、1本目から思い切り滑れるように、気持ちや用具をしっかり調整して臨みたいと思います」
【日本選手成績】
《女子座位》
1位 村岡桃佳(早稲田大学)
《男子立位》
8位 三澤 拓(SMBC日興証券)
13位 東海将彦(※個人参加)
1本目途中棄権 小池岳太(JTBコミュニケーションズ)
《男子座位》
3位 森井大輝(トヨタ自動車)
8位 鈴木猛史(KYB)
12位 夏目堅司(ジャパンライフ)
2本目途中棄権 狩野 亮(マルハン)
記事=日本障害者スキー連盟
写真=堀切 功/日本障害者スキー連盟