ブラサカ日本代表が「リオへの総力戦」でつかんだもの。 すべては、「2020東京」で輝くために!

■あと5年、ある

整列し挨拶する日本代表:2015 年 9 月 6 日 「IBSA ブラインドサッカーアジア選手権 2015」vs マレーシア 写真提供:日本ブラインドサッカー協会
整列し挨拶する日本代表:2015 年 9 月 6 日 「IBSA ブラインドサッカーアジア選手権 2015」vs マレーシア
写真提供:日本ブラインドサッカー協会

 自力でのパラリンピック初出場という悲願は叶わなかったが、日本は5年後の20年東京大会に開催国枠での初出場が決まっている。アジア予選でリオを目指した日本の奮闘ぶりが多くのメディアで報道されたことで、新たなファンも増えたはずだ。厚みを増した「東京への総力戦」は、もう始まっている。

 5年後に向けて、黒田は、「日本は世界で戦えるチームにはなったが、世界で勝ち切れるチームにはまだなれていない。国内からのレベルアップが必要」と話し、7得点で大会得点王にも迫る活躍を見せた川村は、「こんなにもパラリンピックという道は険しいのかと思った。中国やイランからも点を取れる選手にならなければいけない」とさらなる成長を誓う。

 魚住監督は、「4年間の強化の方向性は間違ってはいなかった。だが、強いチームに対しても点を取って勝つことという課題が残った。ドリブル力やシュート力など個の力を高めたうえで、組織の力と組み合わせ、チームをつくっていくことが重要だ」と、これからの方向性を示した。

 落合は、「視覚障害者1人に、見える人が5人集まれば、ブラインドサッカーはできる。全国各地でボールを蹴ってほしい。必要なら僕が教えにいきます」と、競技のさらなる普及を訴えた。

 「まだ夢、終わってないから!」――日系ブラジル人3世の佐々木ロベルト泉は、マレーシア戦後、降りしきる雨のなか、ニッポンコールを続けるサポーターに向かって、そう叫んだ。彼は、魚住監督に誘われブラジルから2013年に帰化し、日本代表に加わった。母国でのパラリンピックに人一倍強い思い入れがあったはず。だが、もう前を向いている。

 中国は自国開催の08年北京大会のためにチームを結成し、初出場で銀メダルを獲得して世界を驚かせた。日本にはすでに10年以上の歴史がある。きっとチャンスはあるはずだ。東京大会まであと5年、選手たちが見る夢のつづきを、ぜひ一緒に見てほしい。

ブラインドサッカーアジア選手権 2015[日本の戦績]

・1次リーグ:
対中国(●0-1) 対イラン(△0-0)
対韓国(○2-0/得点者:黒田智成、川村怜)
対インド(○5-0/黒田智成、川村怜4)
対マレーシア(○2-0/川村怜2)

・3位決定戦:
対韓国(●0-0 PK1-2)

[予選リーグ戦順位]
1位 中国 (勝ち点13/得失点差9)
2位 イラン (勝ち点11/得失点差19)
3位 日本 (勝ち点10/得失点差8)
4位 韓国 (勝ち点6/得失点差0)
5位 マレーシア (勝ち点3/得失点差-9)
6位 インド (勝ち点0/得失点差-27)

[順位決定戦結果]
決勝 ●中国 0 (PK0-1) 0 ○イラン
3位決定戦 ●日本 0 (PK1-2) 0 ○韓国
5位決定戦 ○マレーシア 1-0 ●インド

[最終順位]
優勝 イラン(*)
2位 中国(*)
3位 韓国
4位 日本
5位 マレーシア
6位 インド

(*)リオデジャネイロ・パラリンピック出場権獲得

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