ところで、JBFAは会場に車いす席を設けるなど障害のある観客の獲得にも取り組んでいるが、あえて障害者割引チケットは設けていない。これは、平等にチャージする分、サービスも平等に提供するという考えによるもので、JBFAの理念である、「視覚障害者と晴眼者が混ざり合う社会の実現」にもつながっている。
そうしたサービスの一つとして、「リレーションセンターTASKAL(タスカル)」が、世界選手権以来、国内の主要な大会で導入されている。障害のある人や一時的に体の機能が低下している人なども観戦を楽しめるようサービスを提供するブースで、日本ケアフィット共育機構と提携して運営され、常駐のサービス介助士が情報提供や場内誘導などを手伝うほか、さまざまな支援ツール(下記写真参照)を用意している。
例えば、FM ラジオ放送による実況中継が聴ける音声ガイドシステムは視覚障害者だけでなく、ブラインドサッカー初心者にも「ルールやプレイが分かりやすい」と好評だが、「TASKAL」利用者にはリピーターも多いそうだ。利用者アンケートを実施してサービス向上に努める姿勢などが信頼を得ているのだろう。