■アジア予選での熱戦
「ブラインドサッカーアジア選手権2015」が9月2日から7日にかけて、東京の国立代々木競技場フットサルコートで開催された。大会はリオデジャネイロ・パラリンピックのアジア予選も兼ねており、6カ国の総当たり戦による予選リーグで2位以内に入ると出場権が得られた。だが日本は3勝1分1敗(勝ち点10)の3位に終わり、パラリンピック初出場を逃した。リオ行きは勝ち点13を積み上げた中国と、同11点のイランが決めた。
日本の第1戦はその中国だった。満員の観客の声援を背に、大会4連覇中でアジア最強の相手に立ち向かったが、後半、中国のコーナーキックから失点、0-1で敗れた。
第2戦は4年前のアジア予選で日本のロンドン・パラリンピック行きを阻んだイラン。フィジカルで勝るイランの猛攻をしのぎながら日本も果敢に攻め込むが一歩及ばず、0-0の引き分けに終わる。この時点で日本は暫定5位、リオへの道を拓くには残り3戦全勝が最低条件となった。
3戦目は韓国。前半にベテランのエース、黒田智成がチーム初ゴールとなる先制点をあげると、後半は最年少の川村怜が加点して、2-0で勝利。暫定3位に浮上する。つづくインド戦にも黒田が前半に先制し、川村が前後半合わせて4点を追加。5-0で快勝し、リオ行きに望みをつなぐ。
しかし、予選最終日、日本―マレーシア戦の直前に、韓国を4-0で下したイランの予選リーグ2位が確定し、日本のリオへの道は閉ざされた。その事実を知りながら毅然とした表情でピッチに立った日本は、一時中断するほどの豪雨にも負けず、川村の2得点でマレーシアを下す。試合後、号泣する選手やスタッフを称え、サポーターはニッポンコールを送りつづけた。
翌日の大会最終日には順位決定戦が行われた。決勝ではイランがPK戦を制し初優勝を飾り、中国は5連覇を逃すも準優勝。日本は予選では勝利した韓国にPK戦の末に敗れ、4位に終わる。マレーシアが5位、インドが6位だった。