6月5日、夕方からIPC(国際パラリンピック委員会)フィリップ・クレイバン会長、アンドリュー・パーソンズ副会長、パビエル・ゴンザレスCEOらをはじめとする、IPC理事会メンバーが虎ノ門ヒルズ森タワーに招かれ、2020東京五輪・パラリンピック組織委員会より、2020東京パラリンピックに関するこれまでの準備状況の報告をうけた。
東京組織委員会側からは、森喜朗会長、舛添要一知事らが理事たちを迎え、武藤敏郎事務総長がプレゼンテーションを行った。
理事たちを歓迎する冒頭挨拶で、森会長が「パラリンピックの開催準備はおおむね順調にすすんでいます」と報告したあと、舛添東京都知事は「日本人は1964年東京で障害者スポーツに出逢い、1998年長野で障害者の競技に出逢った。オリンピックも大事だがパラリンピックの成功がもとても大事だ。いま、私自身も手術して金属製の脚をつけているが、誰もが移動しやすい東京にしたい。2020年はゴールではなく、東京がノーマライゼーションが反映する街になるための機会にしたい。そして、競争もあると思うが、ロンドン以上の東京パラリンピックにしたい」と語った。
フィリップ会長は「ロンドンを超えるということだが、来年のリオも合わせてロンドンの2倍ということですね。楽しみにしています」と返した。
プレゼンテーションでは、これまでのパラリンピックに向けた国や組織委員会の取り組み、現在の体制、ビジョンなどの説明が行われた。また、競技会場については、オリンピック会場が決定されたのちパラリンピック会場については直ちに協議されると伝えられた。会場については「アスリートファースト」の視点から考えること、オリンピックと同競技は原則同じ会場とすること、パラリンピック競技の特性を踏まえること、大会後の発展も重視することなど、会場決定の基準が示された。
プレゼンテーション後のIPC理事からの質問には以下のようなものがあった。
1、アスリートの視点をどのようにいれているか。
2、ボランティアに障害のある人をどのくらい採用するつもりなのか。
3、公共交通以外の選手村・観客席へのアクセシビリティはどうなっているか。
4、障害者団体(障害者スポーツ団体含む)との連携はとっているのか。
<回答>
1、「アスリート委員会」を設置し意見を吸い上げている。
2、今後、東京都で考えていく。組織委員会からは無回答。
3、「アクセシビリティ協議会」を設けて意見交換を深めていく。
4、組織委員会・調整会議にJPC(日本障がい者スポーツ協会)鳥原会長が入っている。(新設された)日本財団パラリンピックサポートセンターとの連携も図っていく。
理事たちは、70回目となるIPC理事会のため7日(日曜日)までの日程で東京を訪れているが、昨日は、2020組織委員会スタッフの運営を支援する5年間の研修事業「エクセレンスプログラム」の実施を約束するなど、日本でのパラリンピック開催に向け協力していくことを約束。また、ホスト役をつとめた山脇康IPC理事を会長とする「日本財団パラリンピックサポートセンター」の創設を発表した。
また、2016年リオ、2018年平昌でのパラリンピックの次にくる東京大会を視野に入れ、日本の夏・冬のパラリンピアンとの交流も深めた。さまざまな立場からの「おもてなし」に、東京でのパラリンピックへの期待が感じられるよい東京滞在となることを願う。