パリ2024パラリンピック競技大会 車いすバスケットボール女子日本の決勝トーナメントが4日、ベルシー・アリーナで始まった。
予選トーナメントでは0勝3敗でグループBの4位となった日本。オランダ、ドイツ、アメリカに負けを喫し、この日始まった決勝トーナメントではグループAの1位・中国と対戦した。
スタートの点差
第一ピリオドは中国の激しいプレッシャーに阻まれ得点を上げられずにいた日本。一方の中国は着実に得点を決め、6−22と日本は苦しいスタート。その後、第二ピリオドからは15−14、11−14、18−12と日本もシュート確率を上げて調子を取り戻すも、最初の点差を縮めることはできず、最後は50−62で試合を終えた。
序盤の点差について岩野ヘッドコーチは「スタートで少し混乱が起きてしまった。ディフェンス面では相手のショット確率が非常に高く、それにアジャストすることができなかった。オフェンス面では、いつもだとボールマンが自分のシュートエリアまでボールを運び、そこからボールを動かしたりセットしたり出来ていた。でも今日はそれより前の、かなり高い位置から横に張り出してプレッシャーをかけられていたので、なかなか突破できずタフショットになってしまった。得点に繋がらなかったのはその辺りが要因」と振り返った。
主将の北田千尋は「横への張り出しが強くて私たちが後手に回ってしまった。途中からはポジションを変えて切り替えたけど、すぐには対応できなかった。申し訳ない気持ち。もう次は絶対5位を取るという気持ちで行くしかない」と悔しさを滲ませる。一方「強豪相手に10点差で出来ているということは、今のバスケが自分たちのベスト。精度だったり、やり切る気持ちだったりを40分間見せ続けるしかない」と残り2試合への覚悟を滲ませた。岩野HCも「日に日に過去一番の(良い)試合になってきている。決して悲観することなく、我々の“走るバスケット”を貫きたい」と意気込んだ。
この日16得点を決め、チームで最も高い75%のシュート率を上げたのは中国の8番LYU Guidi(リュー・グイディ)。日本の印象は「反応やスピードがとても速く良い競争相手」とした上で、高いシュート精度の秘訣は「コーチがより高い要求をするので練習がとてもハード。一生懸命に練習しています」と話した。
日本は5日、5位-8位決定戦予選に臨む。地獄の40分間で、過去一番のバスケを見せてほしい。
(現地取材・地主光太郎 校正・佐々木延江)