関連カテゴリ: Paris2024, サッカー, ブラインドサッカー, ブラインドスポーツ, ブラサカニュース, 取材者の視点, 国際大会, 新着 — 公開: 2024年9月3日 at 4:58 PM — 更新: 2024年9月11日 at 2:58 PM

【ブラインドサッカー】2日目、中川JAPANは歴史を切り開けず。0-1でモロッコに敗れ、準決勝進出を逃す。

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9月2日、ブラインドサッカー2日目、日本はモロッコに0-1で敗れ、第3戦のアルゼンチン戦の結果を問わず、準決勝進出が断たれた。9月5日は順位決定戦を戦うことになる。

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9月2日、ブラインドサッカー2日目、日本はモロッコ代表と戦い、オウンゴールにより0-1で敗れた。その結果、3日目のアルゼンチン戦に勝利しても準決勝に進出できないことが確定した。

日本のスタメンは、コロンビア戦と同じくGKが佐藤大介(背番号1)、DFに佐々木ロベルト泉(背番号3)、MFにキャプテンの川村怜(背番号10)と平林太一(背番号6)、FWに後藤将起(背番号8)。フォーメーションは、戦い慣れた1-2-1で、左に平林、右に川村の布陣。対するモロッコは、GKはBARA Samir(背番号1)、GHILLI Houssam(背番号3)、LAMLAS Hicham(背番号5)、AIT BAJJA Elhabib(背番号6)、SNISLA Zouhair(背番号9)が先発。キャプテンのHATTAB Abderrazakはベンチスタート。フォーメーションはどちらかというと、2-2で注目のSNISLAは1列目の左から攻める形だ。

負ければメダルの可能性がなくなる大切な試合。スタメンの動きも昨日の緊張とは打って変わって、前半から積極的に仕掛ける姿が見える。第1ピリオド、8分には川村が右サイドからドリブルで持ち込みシュート、12分のFKからの後藤のシュート、13分には平林が左サイドをドリブルで上がり相手のFP3枚を抜いてゴールに迫るも、シュートする前に相手GKにボールを抑えられる。一方、モロッコは、左サイドのSNISLAを中心に攻めるが、日本の硬い守備が決定的な仕事をさせない。

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9分にSNISLAに代わってHATTABが入り、12分には再度SNISLAが入り、SNISLAとHATTABが左右に分かれてのパス交換を含めた多彩な攻撃で日本ゴールに迫る。モロッコが攻撃のギアを一段上げた感じだが、日本も体を張って決定機を作らせない。14分にHATTABが体調不良により担架で退場となり、そのまま0-0で第1ピリオドを終える。ボール支配率ではモロッコが上回ったが、日本の攻めの形もいくつか見えた。川村も「声をかけあっていいリズムを作りチャンスも作れた」と振り返る。

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第2ピリオドは、両チームとも第1ピリオドのスターティングメンバーでゲームに入る。ただ、SNISLAだけではなくAIT BAJJAやLAMLASなどが積極的に攻撃参加し日本陣内でのプレーの時間が長くなるが、日本はFP全員が守備にあたり決定的なシュートを打たせない。時折モロッコ陣内までボールを運んでも押し返され、決定機を作れない。後半11分、左サイドをドリブルで上がるAIT BAJJAからロベルトがボールを奪い、GK佐藤にバックパスを送ったところ、守備に駆けつけた高橋裕人(背番号4)に当たり、そのこぼれ球をロベルトとAIT BAJJAが競い合った。その際に、ボールがロベルトの足にあたり、ゴールに吸い込まれ、オウンゴールでモロッコが先制する。
このままでは終われない日本、12分に左30度11mでFKを得る。後藤が放ったシュートは枠に飛ぶも相手GKが弾きクロスバーに当たり、ゴールを割れない。最も得点の可能性を感じさせた瞬間だった。さらに13分、交代して右サイドに構える園部優月(背番号14)が、平林のサイドチェンジのパスを受け、ゴールファーサイドに外す惜しいシュートを打つ。さらに残り1分、後藤、平林、高橋でモロッコゴール前に殺到するもシュートが打てない。最後は、観客のカウントダウンのなかタイムアップ。0-1のまま試合を終了した。

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第2ピリオドにおいて、モロッコの攻撃はしっかりシュートで終わる意識が高いことを感じた。日本は後藤のシュートまで決定機を作れなかった。CKは日本1に対してモロッコ4と、GK佐藤もコメントしたが、自陣側でのボールの処理に課題があったことがわかる。オウンゴールのシーンも、7月のJapan Cupでモロッコとの失点シーンや、去年のIBSA世界選手権、中国戦での失点シーンが筆者の脳裏に浮かんだ。フィニッシュの精度、与える必要のないCK、過去の失敗からの教訓など様々な課題を改めて突きつけられた試合だった。

日本対モロッコ戦の前に行われたアルゼンチン対コロンビア戦はスコアレスドロー。本日終了時点で勝ち点は、コロンビア 4、モロッコ4、アルゼンチン2、日本は0だ。第3戦のアルゼンチン戦で日本が勝利しても勝ち点3で、コロンビア・モロッコに及ばない。この時点で、日本の準決勝進出は断たれ、メダルの可能性は無くなった。試合終了後、川村は「キャプテンとして、10番として勝利に導けなかったことは申し訳ないし、悔しい」と声を絞り出した。中川英治監督は「最後の精度を上げられなかったことは自分の責任」と語った上で、アルゼンチン戦に向けては「先輩の積み上げたことを未来に繋げる大切な役割があるので、それを果たすためにも前を向いて戦う」と気持ちを奮い立たせていた。

中川JAPANの、そして日本ブラサカ協会のメダルを獲るという10年来の目標はここで潰えた。ただ、アルゼンチンとの第3戦、そして順位決定戦が残っている。この素敵なエッフェル塔スタジアムで、大歓声を受けながら戦い、勝つことは大きな喜びと記憶を与えてくれると思う。是非残り二つを勝ち、東京大会と同じ5位を確保し、未来に繋げて欲しい。グループリーグ最終戦は、9月3日 20時30分(日本時間)キックオフ。NHKでは深夜27:30より元ブラサカ日本代表の加藤健人の解説で録画放送される予定だ。是非録画などしてブラサカの魅力を再認識してはいかがだろうか。リアタイ派の方は公式ライブストリームを通じてぜひ、声援を送ろう。

(校正・中村和彦、そうとめよしえ)

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