9月8日まで開催中のパリ2024パラリンピック。競技の行方はもちろんのこと、せっかくなら街の雰囲気や人との出会いも伝えたい。祝祭ムード溢れるパリの街角から、現地の様子をお届け。
「メディアセンター」という場所をご存知だろうか。大会関係者にとってはお馴染みなのだが、一般的にはあまり知られていない。メディアセンターとは、簡単にいうとジャーナリストやカメラマンのために設けられた作業スペースのこと。取材者はこの場所で原稿を書いたり、次の試合に向けて調べものをしたり、カメラをメンテナンスしたりと、いわば取材者のための“選手村”みたいなものだ。
3つのメディアセンター
パリ大会でメディアセンターは大きく分けて3つある。大会全体を取り仕切るMPC(メイン・プレス・センター)、競技会場ごとに設けられたVMC(ベニュー・メディア・センター)、そして開催都市が設けたPMC(パリ・メディア・センター)。なんだか混乱しそうだが、ざっくり本部みたいなのがMPC、それぞれの競技会場にあるのがVMC、パリ市について知りたいならPMCという感じ。
今回はパリ・メディア・センター(以下PMC)についてご紹介。PMCはパリ市が設けたもので、取材者向けにパリ市の取り組みについて記者会見を開いたり、プレスツアーを行ったりしている。(ちなみに前回の東京大会でも同じような施設が有楽町に設けられていた)。取材者にとってはWi-Fi環境の整った場所で作業ができたり、軽食が用意されていたりするのでありがたい場所。取材者に配られるメディアグッズも充実していて、今大会ではガイドブックのほか、ボールペンやタンブラーなども入っており、嬉しい記念になった。
先日はパラフォトメンバーがプレスツアーに参加した。「セーヌ川ツアー」なるもので、今大会に向けパリ市が行ったセーヌ川の整備や新しいスポットを巡るというもの。セーヌ川のほとりがパリ市民の憩いの場となっている様子を垣間見ることができた。
実は大会期間中、取材者はとてもタフな環境に置かれる。一日に複数の会場をはしごし、取材し、原稿を書き、速報を配信。作業は早朝から夜中まで続く。そうした中でメディアセンターは「パラリンピックを楽しむ」という原点に立ち帰ることが出来る。迎えてくれるボランティアやスタッフが温かく、海外の記者とも情報交換できる。コーヒーブレイクして“また頑張るぞ!”。私にとってそんなリフレッシュの場が、メディアセンターだ。