車いすバスケットボール女子日本代表の「パリ2024パラリンピック競技大会 壮行会」が5日、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京)で開かれ、選手・監督らがパリパラリンピックへの決意を語った。
女子日本代表は今年4月に大阪で行われた「2024 IWBF女子車いすバスケットボール世界最終予選」でオーストラリアに勝利。自力でパリへの切符を掴み、2大会連続でパラリンピック出場を決めた。この日は選手・監督らが意気込みを語ったほか、アスリートからの応援メッセージの紹介、紅白戦などが行われた。
五輪パラの「ワンバスケットチーム」
日本車いすバスケットボール連盟の田中晃会長は「今パリは五輪一色。オリンピアンの素晴らしいパフォーマンスでたっぷりと暖めていただいた舞台で、いよいよパラリンピアンの出番がやってくる。より熱く、より深いパッションを世界に発信してくれるものと思う」と挨拶。パリ五輪バスケットボール日本代表の結果にも触れ、「“ワンバスケットチーム”として、彼らの悔しさを胸に刻んでパリで戦いたい」と意気込んだ。
愛称は「フィアレスジャパン」。見どころは
「恐れない・勇敢な」の意味を持つ“Fearless”を冠し「Fearless JAPAN 〜地獄の40分間の、その先に〜」をスローガンに掲げる女子日本代表。海外の強豪に立ち向かうメンタルや40分を全力で駆け抜ける力を鍛えてきた。チームの得点源でありベテラン選手の網本麻里は「フィアレスジャパンらしくバスケットを楽しんで、日本中の皆さんを魅了できるようなプレーを見せたい」と活躍を誓った。
16歳から47歳まで、多彩なメンバーで構成されているのも特徴。実に30歳以上の歳の差があるチームビルディングについて、最年長の土田真由美は「上から(目線)ではなく“一緒に学んで成長していきたい”というタイプ。合宿や海外遠征では家族以上にずっと一緒にいるメンバーなので、話しやすい雰囲気を作るようにしている」と話す。最年少でパラリンピック初出場の小島瑠莉は「1(個)聞いたら100(個)教えてくれるような先輩ばかり。皆さんがいい流れを作ってくれるので、自信を持って(シュートを)打つのが目標。ベンチやコートでは苦しいときに、みんなを元気づけられたらいい」と自身の役割について話した。障害も年齢も多様なメンバー。コートで織り成す連携プレーに注目だ。
北田主将「心ひとつに戦い抜く」
最後はキャプテン北田千尋が決意表明。「パリパラリンピックに向けた漢字一文字は“心”。このチームで出られるのは一生に一回。心を込めて、心を強く、心をひとつに、このチームが最後の日まで戦い抜くことを誓います。皆さんが“車いすバスケって面白いな”と思っていただいた気持ちが車いすバスケの未来を作る。どうか最後まで一緒に戦って、喜んで、応援してもらえたら」と呼びかけた。
パリパラリンピックで車いすバスケットボール女子にはアメリカ、カナダ、中国、日本、イギリス、スペイン、ドイツ、オランダの8カ国が出場。予選グループで日本はグループBに振り分けられ、オランダ、ドイツ、アメリカの順で対戦する。初戦は日本時間8月30日17時30分より、オランダとの一戦。フィアレスジャパンがこの夏、パリの大舞台に挑む。
(校正・地主光太郎、佐々木延江)