関連カテゴリ: サッカー, ブラインドサッカー, ブラインドスポーツ, 取材者の視点, 国際大会, 夏季競技, 大阪, 新着 — 公開: 2024年6月17日 at 3:21 PM — 更新: 2024年7月2日 at 8:40 AM

大阪で初開催!パリで戦う選手たちを身近に感じる日本発の国際大会「ダイセルブラインドサッカー ジャパンカップ 2024 」

知り・知らせるポイントを100文字で

7月4日から7日大阪グランフロントで開催されるダイセルブラインドサッカー ジャパンカップ 2024 in 大阪の対戦国が発表され、あわせて、パリに向けてのクラウドファンディングの発表があった。

左から、塩嶋史郎(日本ブラインドサッカー協会理事長)、北澤豪(日本障がい者サッカー連盟 会長)、小河義美((株)ダイセル 代表取締役社長)、川村怜キャプテン、中川英治監督、松崎英吾(日本ブラインドサッカー協会専務理事)写真筆者

 6月14日、日本ブラインドサッカー協会(以下協会)より7月4日から7日にかけて大阪グランフロントで開催されるダイセルブラインドサッカー ジャパンカップ 2024 in 大阪についての記者会見と選手が参加してのトークセッションが開催された。
 冒頭、塩嶋史郎理事長も言及したが、いくつか初がつく大会だ。ブラインドサッカーとしては、初の日本独自開催の国際トーナメント。西日本で初の国際大会。1日15万人が行き交う競技場以外の会場での初開催であり、中川監督になってから初の国内での代表戦である。パリパラリンピック(以下パリパラ)に向けての壮行試合と位置付けられている。

■トーナメント参加国は日本を含めて4か国

 大会は日本を含む4カ国が総当たりでまず対戦し、最終日に1位と2位、3位と4位が改めて対戦し順位を確定する。日本(世界ランキング3位)、モロッコ(同 8位)、マレーシア(同26位)の参加が確定している。6月12日に負傷者多数のため4カ国目が出場辞退。6月24日にメキシコ(同9位)の参加が発表された。

■会場はオープンスペース

 会場は、JR大阪駅から隣接する商業施設グランフロント大阪への導線上にあるオープンスペース「うめきた広場」。こちらに人工芝を敷き、観客席を設置せずに開催する。

記者会見での説明資料より 

通行人が自由に行き交う環境下で観客は立ち止まって観戦する。周辺の噴水は普段通り水がでる。雑踏の音、お店から流れる音楽など、様々な日常の音の中でゲームが進行する。ブラインドサッカーの選手はボールが発する音を頼りにプレーするため、通常、プレー中は静寂が求められる。真逆の環境で開催されるには理由があると中川監督は語る。パリパラの会場はエッフェル塔に隣接した13000人収容の競技場だ。ブラインドサッカーのピッチが40mx20mであることを考えると相当高い座席の壁ができ、体育館のような様々な反響、雑音の中でのプレーが求められる。そういった環境のシミュレーションになるため、かえって好都合というわけだ。

https://www.paralympic.org/sites/default/files/styles/large_original/public/2023-08/Tour%20Eiffel%20Stadium%20-%20Cecifoot%20-%20PARA.jpg?itok=QmElb4hW
から引用。パリパラリンピックのブラインドサッカー会場ⒸParis 2024

■見どころは

 東京パラリンピック 2020で銅メダルのモロッコが参加することも注目だ。世界ランクは5月25日に開催されたパリパラの組み合わせ抽選会で、日本はコロンビア、モロッコ、アルゼンチンの順で予選を戦うことが決まった。コロンビア、アルゼンチンとは抽選会後にフランスで開催されたIBSA Blind Football World Grand Prix 2024(以下WGP2024)で対戦している(結果はアルゼンチンにはグループリーグにおいて2-1で勝利、コロンビアとは準決勝で対戦し1-2で敗戦)。モロッコとは2019年以来対戦したとことがなく、この大会はアフリカ特有の強さ、ボールコントロールを実際に体験できるチャンスだ(中川監督談)。キャプテンのアブデラザク・ハッタブは左右の足でシュートができる選手。また東京パラで得点王になったズハイール・スニスラが注目選手だ。
 4カ国目のメキシコは世界ランキング9位。パラリンピックにはリオ大会に出場。日本は過去に1度だけ戦い、0-1で破れている。マレーシアとは通算3戦全勝だ。

ズハイール・スニスラは東京パラで通算8得点を決めた。 写真・中村”Manto”真人 

会見に参加したキャプテンの川村怜は「知って見て体感してもらい競技の魅力を伝えるチャンス」と期待を語る。先月のWGP2024で得点王に輝いた後藤将起も「観客の応援は力になる。勝利を見てもらいたい」と抱負を述べた。

トークセッション:左から北澤豪(日本障がい者サッカー連盟 会長)、後藤将起、川村怜、中川英治監督、松崎英吾専務理事 筆者撮影

■「みんなの想いが強さになる」

 このジャパンカップにあわせて協会は新しいメインビジュアルを発表した。川村選手を中央におき、協会職員、スタッフ、ボランティアなど、ブラインドサッカーにまつわる様々な人を題材に、メダル獲得へ様々な想いを一つにという意味で、「みんなの想いが強さになる。#Go for Gold」というキャンペーンコピーが使われる。

 さらに、6月22日0時より8月4日まで600万円を目標とするクラウドファンディングも発表された。ジャパンカップ運営、8月に開催される海外合宿の費用にあてられる予定だ。

 パリパラ出場が決まった際には、「メダル獲得が目標」だったが、今や金メダルを獲ると目標を高めたブラサカ日本代表。日本の試合は19時(土曜日は18時)から始まる。お近くの方は是非とも会場に足を運び、選手に声援を送ってはどうだろう。通勤・通学・買い物の途中にちょっと足をとめて見るのも良いだろう。まさに協会がめざす「まじりあう社会」がそこに立ち現れるかもしれない。全試合がインターネットのライブ配信で、決勝戦は日テレBSでも放送される。遠方の方はそういった放送を通じて選手の背中を押してみてはどうだろう。そして、クラウドファンディングにもアクセスして欲しい。パリに向かう選手を是非後押ししよう。

 大会情報
「ダイセル ブラインドサッカージャパンカップ 2024 in 大阪」概要
・日程:7月4日(木)〜7日(日)
・会場:グランフロント大阪 うめきた広場
・主催:NPO法人日本ブラインドサッカー協会
・タイトルスポンサー:株式会社ダイセル
・観戦方法:会場にて無料で観戦可能。全試合ライブ配信予定。
・大会ホームページ:https://japancup24.b-soccer.jp/
・参加国:日本(世界ランキング3位)、モロッコ(同8位)、メキシコ(同9位)、マレーシア(同26位)

 スケジュール
7月4日(木) 16:15 メキシコ vs モロッコ / 19:00 日本 vs マレーシア
7月5日(金) 16:15 マレーシア vs メキシコ / 19:00 モロッコ vs 日本
7月6日(土) 15:15 モロッコ vs マレーシア / 18:00 日本 vs メキシコ
7月7日(日) 15:15 3位決定戦 / 18:00 決勝戦

(校正・中村和彦、そうとめよしえ)
6月20日追記: クラウドファンディングの開始日時を修正し、URLを追加した。
6月25日追記: 4番目の参加国としてメキシコの情報を追記した。
6月28日修正: 日本ブラインドサッカー協会の指摘により「選手家族」を削除した。

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