関連カテゴリ: KOBE 2024 WPA, WPA, トラック・フィールド, 兵庫, 国際大会, 夏季競技, 車いす, 重度障害, 陸上 — 公開: 2024年5月29日 at 11:44 AM — 更新: 2024年5月31日 at 9:19 AM

マキシム初の1500mでも勝利、T52で3冠。順位を狙う走りで佐藤の世界記録を視野に捉えた!

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KOBE2024・DAY9、1500mT52(車いす)すでに400m,100mで結果を出してきたマキシム・カラバンとこの距離で世界記録(3:25.08)を持つ佐藤友祈の今大会3度目の対決はカラバンに軍配が上がった。

「素晴らしい気分です。1500mは初めての公式レースでした。レース前は少し不安で、できるだろうか、ついていけるだろうか?と思っていました。しかし、やれるだろうと、佐藤選手についていきました。彼が調子を崩し始めたのを見て、残り300メートルは自分の得意な距離だったので、全力を出しました。それが金メダルにつながりました」

1500mT52 表彰式。1位、CARABIN Maxime(BEL)2位、佐藤友祈、3位、PEREZ JUAREZ Leonardo De Jesus(MEX) 写真・中村 Manto 真人

神戸2024パラ陸上世界選手権、最終日(5月25日)、ベルギーのマキシム・カラバンはT52の最後のレースも勝利し3冠を達成したあと、日本の記者たちに囲まれてレースの感想を話した。

スタート直後、佐藤が飛び出したのを見極めるとその後ろに向かうマキシム 写真・中村 Manto 真人
スタートから佐藤に先を走らせ、後ろについたマキシムは、体力温存しながら走ることを選んだ。佐藤が3回漕ぐごとに、カラバンは1回、ゆっくりと回した。 写真・秋冨哲生

すでに、400m、100mで佐藤友祈(モリサワ)と競い合ってきたベルギーのマキシム・カラバン。ついに佐藤が世界記録を保持する​​1500mT52(車いす)決勝の日を迎えた。この距離はパリパラリンピックの種目になく、佐藤との対決は初めてになる。

レースが動いたのは残り300mでラストスパートをかけたマキシムは、あっという間に佐藤を引き離してフィニッシュした。T52の100m、400m、1500mで3冠を達成した。

佐藤の後ろでスパートをかけるタイミングを見計らうマキシム 写真・秋冨哲生
自分がフィニッシュした後、佐藤のフィニッシュを見届けるマキシム・カラバン。タイム差は2.68 写真・秋冨哲生
フィニッシュ後のフラッグパフォーマンス 写真・秋冨哲生

「ベルギーチームで話し合い、今日はタイムというより、1位、金メダルを目指して走った」とマキシムはレース戦略について語った。

体力を温存しているように見えたが、という記者の問いに「そうです、それがスポーツです。佐藤選手が先頭に立つのを見て、彼の背後につこう、風を避けられると考え、チャンスが来たら前に出ようと決めていました。それがうまくいきました」と答えるマキシム。

T52で3冠を達成した、マキシム・カラバン 写真・中村 Manto 真人

世界記録を持つ佐藤は、「記録を狙ってくると思っていましたが、肩透かしにあいました。ちょっと口が悪いけど、ふざけんなよ!って。風が強く、風除けに使われ続けたら最後まくられるので、1回横に道を開けたけど、彼はかたくなに僕の後ろで走っていた。まだ自分一人では僕の持っている世界記録には届かないんだろう」

マキシムはリュージュ(ベルギー)に練習環境を置いているが、パリパラリンピックの競技場と同じ、モンド社製のトラックが敷かれており、練習環境は最高に良いという。

1500mT52のレースを応援する観客席。増田明美会長の姿も 写真・中村 Manto 真人

パリでは1500mT52が種目からなくなり、マキシムと佐藤とのこの距離での試合はしばらくないが、二人はパリパラリンピック、100mと400mで再び競い合う。パリ、そして次の1500mT52を競う日を、神戸の観客も楽しみにしていることだろう。

(編集)佐々木 延江 (取材協力)地主 光太郎

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