神戸2024パラ陸上世界選手権・5日目。女子100mT34(脳性まひ/車いす)で、イギリスのハナ・コックロフトが世界選手権7連勝を果たした。2位は世界選手権初出場16歳のLan Hanyu(中国)が、日本の小野寺萌恵が今シーズン自己ベストで3位についた。
決勝レース後、コックロフトは「年々競争は激しくなるが、私もまだまだ強くなっている。16秒台を突破したい」と開口一番語った。若手の追い上げについてはチームメイトでもあるカレ・アデネガン(24)、小野寺萌恵(21)、そしてLan Hanyuを挙げて「彼らはまだ若く私より学ぶべきことはたくさんある。私も負けない」とあくなき向上心を見せた。
パリは、ロンドン以上に盛り上がる可能性がある
イギリスのパラスポーツの現状を問われるとコックロフトは「残念ながら、ロンドン2012、ロンドン2017パラ陸上のモメンタムは失われている。特に時差があり、無観客だったTokyo2020で我々の活躍する姿を訴求できなかった」と率直に述べた。だからこそ時差もほぼない、隣国で開催されるパラリンピックに「ロンドン以上に盛り上がる可能性があるかもしれない」と期待を寄せる。「いいクラブ、素晴らしいコーチ陣、設備にイギリス陸連のサポートもある。足りないのは私たちがやっていることを見てらうこと。特にテレビや現地での観戦を通じて若い世代に訴求しなければならない」と熱く語った。
日本の小野寺が3位に
23日の800m T34予選で、これらの選手が再び相見えることが予想される。ぜひ、コックロフトに挑むアジアの若手が爪痕を残せるか見逃さないで欲しい。
(現地取材・佐々木延江)