東京パラリンピックの車いすラグビーの会場にもなった渋谷区が主催する「渋谷区長杯」の第7回大会が、4月27日に渋谷区スポーツセンターで行われた。
国内3チームによる総当たりで戦うこの大会には、今年は日本代表HCを務める岸光太郎(0.5)が所属するAXEに加え、日本代表のベテラン島川慎一(3.0)が率いるBLITZ、日本の新時代のエース橋本勝也(3.5)が活躍するTOHOKU STORMERSが参戦。3大会振りの参加であるBLITZが2連勝し、優勝を飾った。
表彰式でマイクを渡された小川仁士(1.0/BLITZ)は、「今日は池崎大輔(3.0)選手や田村学選手(2.5)といった日本代表経験のある選手が参加できない中、勝ち切れたことは自信につながった」と振り返った。
また1月のジャパンパラ競技大会、4月のQUAD NATIONS(イギリス)と続けて”お留守番組”として日本代表に参加しなかった島川は、溜め込んだエネルギーを爆発させるかのようにトライを量産。トロフィーを握って満面の笑顔を見せた。
今大会は、連盟の試みとして初めて表彰式後にボランティア同士によるエキシビジョンゲームを実施。選手がヘッドコーチのような役割となって指示し、本物の試合さながらに5分間マッチで得点を競った。
エキシビジョンゲームに参加したボランティアは、「スポーツを観戦しているとやりたくなっちゃう性格なので、初めて実践を経験できて良かった。体験会とはまた違う楽しみで、より車いすラグビーの魅力にハマることができた」と興奮。
東京2020後のムーブメントの火を絶やさないよう、連盟も工夫を凝らして試行錯誤を続けている模様だ。
日本代表のパリパラリンピック前最後の国際大会は、6月のカナダカップ。
今日はいち選手として参加していた岸HCは、選手たちの成長ぶりを見て、まだパリの代表選考を悩んでいる様子。先日優勝を飾った国際大会・QUAD NATIONS(イギリス)やカナダカップでの出来映えが左右することは明らかに予想できる。
カナダにはどのメンバーが選ばれるのか。残り少ない期間で選手たちがどんな爪痕を残すのか。熾烈な代表争いはクライマックスを迎える。