11月26日、日本ブラインドサッカー協会はブラインドサッカー男子のパリパラリンピック出場権獲得の記者会見をMARUI ブラサカ!パーク(東京都小平市)で行った。
中川監督は「自分たちの力でパリパラリンピック出場権獲得
現在強化している点については「一つはフィジカル面。対戦する海外のチームは身長も大きいし、あとは体格差も体重差もありますから。大きい相手に対抗できる最低ラインのベースをしっかりと作っていく。もう一つは攻撃の最後の点としてのシュート。得点の感覚、得点に至るプロセスいわゆる崩しや、カウンターのアクションなどは、もっともっと突き詰めたい。強豪相手からは少ないチャンスしか与えられないので、それをものにできるようにしたい」と語った。
メダルを取るためにはグループリーグを突破した後のラスト2試合の勝率を50%に上げることが必要だと考える中川監督。「今の世界ランクは1位がアルゼンチン、2位ブラジルで、3位、4位は日本か中国かっていう感じになる。(ランクに沿ってパリパラリンピックの)グループ分けがされると、アルゼンチンとブラジルがグループAとBに分かれて、日本と中国も別グループになることが想定される。そうすると残り2チームがフランス・トルコ・コロンビア・モロッコになるので、単純にランクで考えると日本の方が上で勝てる可能性がある。まずはグループリーグを突破する。そうすると準決勝と決勝、もしくは準決勝と3位決定戦の2試合となる。この2試合の勝率を少なくとも50%にすることができたら、3位にはなれる」
パリパラリンピックに出場する8カ国の中で注目すべきは日本にとって一番のライバルである中国。これまでも、自力出場がかかったアジア予選、東京パラリンピックのグループリーグ突破では日本の壁となってきた中国。パリパラリンピックで日本がベスト4に進出すれば、準決勝以降の試合で戦うことが予想され、メダル獲得の壁になりうる。どう打ち負かしていくのかが鍵になるだろう。
「パリでメダルを獲得するという大きな目標に向かって挑戦は既に始まっている。とても難しいチャレンジになるが、我々は歴史を作っていくチーム。全国のブラインドサッカーファミリーとともに、さらに大きなチャレンジをして、みんなで喜びを分かち合いたいと思います」と川村怜(パペレシアル品川)は新しいミッションに挑む姿勢を見せた。個人の目標としては、「ゴールを決めること。チームが勝利すること、日本の勝利を導くゴールを決めることです」と語った。
スポーツファンへのメッセージとして「ブラインドサッカーの日本代表チームのプレーをもっともっと見て欲しい。素晴らしい選手たちが揃っているので、ぜひ生で見て頂きたいし、(それが難しい方は)映像や配信を通して我々のプレーを見ていただきたい」と述べた。
最も代表歴が長く4度の予選敗退を経験している黒田智成(たまハッサーズ)は「4回4度にわたってチャレンジした自力でのパラリンピック出場が実現できていなかったが、今回ようやくこの壁を乗り越えることができた。一度パラリンピックを経験した私達にとっては、出場するだけがゴールではない。メダルを獲得するという新たな目標に向けて、進化するために努力していきたい」と意気込んだ。
世界選手権では4ゴールを決め、強化選手最年少で伸び盛りの平林太一(松本山雅B.F.C.)は、「パリでメダルを取ることに辿り着けるようにしていきたい。得点を奪うことが自分の役割、チームを勝たせるゴールをとりたい」と意欲をみせた。
ブラインドサッカーは2024年9月1日〜7日、エッフェル塔スタジアムで行われる。最終日にメダルを高々と掲げる日本代表選手の晴れやかな顔が見られることを願う。
(参考1)パリパラリンピック出場国
アルゼンチン/ブラジル/中国/日本/フランス/トルコ/モロッコ/コロンビア
(参考2)ブラインドサッカー男子日本代表強化指定選手2023.11現在、詳しくはこちら
FP 川村怜/佐々木ロベルト泉/黒田智成/田中章仁 /日向賢/園部優月/丹羽海斗/鳥居健人/平林太一/後藤将起/永盛楓人/高橋裕人
GK 佐藤大介/泉健也/神山昌士
(校正・中村和彦、地主光太郎)