関連カテゴリ: サッカー, ブラインドサッカー, ブラインドスポーツ, 国内大会, 新着, 東京, 観戦レポート — 公開: 2023年9月27日 at 7:22 PM — 更新: 2023年10月19日 at 12:06 AM

LIGA.iブラインドサッカートップリーグ2023 第2節、free bird mejirodaiが埼玉T.Wingsを下して連勝。二代目王者に王手!!

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競技性、エンターテイメント性を追求するブラインドサッカートップリーグ、LIGA.i2023 第2節は、6台のカメラを導入し、オンライン配信に特化して開催された。その効果は如何に?

6台のカメラを設置し試合開始を待つ 筆者撮影

9月24日、ブラインドサッカー日本代表の合宿で使用されるMARUI ブラサカ!パーク(東京都小平市)にて、LIGA.i ブラインドサッカートップリーグ2023 第2節が開催された。「日曜日の午後6時にオンライン配信することでより多くの人に観てもらう」(専務理事 松崎英吾氏)ことを目的にオンライン配信に特化した初の取り組みとなった。通常の倍の6台のカメラを用意し、テレビでお馴染みのリプレー再生など様々な試みが実施された。試合は第1節で敗れたチーム同志、勝利したチーム同志というカードであった。
 

第1試合 パペレシアル品川が川村怜のゴールでbuen cambio yokohamaを下す

後半12分 川村怜(左、背番号5)の右足のシュートが試合を決める。中は齊藤悠希(背番号7) 、右は和地舜也(背番号4) 提供:鰐部春雄/日本ブラインドサッカー協会

第1節で共に敗れたパペレシアル品川とbuen cambio yokohamaが対戦した。このカードは去年3度対戦してすべて品川が勝ちを収めている。第1ピリオド開始からyokohamaのキャプテン 齊藤悠希(背番号7)が積極的にドリブルで持ち込み、和田一文(背番号16)、近藤凌也(背番号5)、5分からピッチに立った日本代表の後藤将起(背番号14)などがシュートを放つ。品川は相手にあわせてプレーすることにチャレンジしたが「選手への落とし込みが不十分でワンテンポ遅れた」(小島雄登監督)と語るようにうまく機能せず、押される展開だった。

品川は第2ピリオド頭から川村怜をピッチに送り反撃を試みた。しかしyokohamaのピヴォ後藤の前からのプレッシャーにボールを前に運べない。

左 後藤将起、右 川村怜の代表選手同士のマッチアップ 筆者撮影

yokohamaは5分にはペナルティーエリア外右45度の地点でフリーキックを得る。キッカーの齊藤が「初出し」と語る直接ゴールをねらったキックは、品川の壁4枚を超えてゴールマウスのクロスバー、ついでファーサイドのポストにあたり惜しくもゴールとはならなかった。

GKの藤原幸紀は右手一本で右の後藤のシュートを弾く 筆者撮影

後藤の枠内ミドルシュートもあり押し気味に試合を進めたyokohamaだったがゴールを奪えない。最後にゴールを決めたのは、去年のLIGA.i開幕戦と同じく品川の川村だった。残り3分、自陣左サイドで相手のパスミスのボールを奪うとドリブルで持ち上がり、齊藤と競り合いながら右足でニアサイドにボールを押し込みゴール。品川が勝ちをもぎ取った。

第2試合 free bird mejirodaiが2−0で埼玉T.Wingsを破り優勝に王手をかける

Mejirodai 丹羽海斗(背番号2)がシュートを放つ 提供:鰐部春雄/日本ブラインドサッカー協会

第1節を勝利で収めたチーム同士の対戦は、第1ピリオド開始からmejirodaiの園部優月(背番号7)が2分、3分、4分と続けてシュートを放つ。対して埼玉は攻守の切り替えも遅く、GKからのフィードも左サイド アタッキングサードで待つ菊島宙(背番号9)になかなか繋がらない。菊島も自陣まで下がってボールを奪い、自ら持ち上がってシュートを放つ何時もの動きがなく、ボールを受けてもmejirodaiのチェックが早く前に運べない。mejirodaiは第1ピリオド10分に丹羽海斗(背番号2)が左からカットインして、ペナルティエリア外ほぼ正面からゴール右にシュートを決めて1−0とリードする。

左から山中、加藤、高畑でmejirodai 園部を抑える。 筆者撮影

第2ピリオドも、mejirodaiが終始ボールをコントロールし埼玉のゴールに襲いかかる。キャプテンの加藤健人(背番号10)、山中優汰(背番号13)、高畑翔(背番号5)の3人が自陣に残り攻撃をしのぐ埼玉。前線の菊島にはなかなかボールがつながらない。結局のエース菊島のシュートは第2ピリオド4分の左サイドからのみに終わる。残り1分を切ったところで、埼玉のGK 岩崎直のハンド(ゴールキーパーエリア外でのキャッチング)からmejirodaiはPKを獲得。園部がきっちり左隅に決めて2−0と勝利を確実にした。

試合を決定づける2点目を決めて喜ぶ園部優月(背番号7) 筆者撮影

Mejirodaiの山本夏幹監督は、「菊島宙を抑えて失点なく勝つという狙い通りの試合だった」と振り返った。次戦yokohama戦に優勝がかかるが、「キーマンに仕事をさせないように対策していく」と意気込みを語った。

肝心のオンライン配信の最大同時接続数は、第1試合が123で 第2試合が139だった。849名の観客を集め、更にライブ配信を行った7月の第1節では第1試合が54、第2試合が46であった。確かに倍以上の接続数となり、より多くの方がオンライン配信を楽しんだといえよう。ただ、試合を観た人の絶対数から考えるとどこまで成功したかは判断が難しいところだ。品川の川村は、「声援など(観客の)声を聞きたかった。ゴールを決めた時に、歓声がなく決まったかどうかしばらくわからなかった」と感想を漏らした。

LIGA.i2023の最終節は12月17日フクシ・エンタープライズ墨田フィールド(東京都墨田区)にて開催される。次回は現地観戦ありでの試合開催となる。ぜひ、選手への声援を届けに会場に脚を運んで欲しい。

Player of the Match
第1試合 藤原幸紀(パペレシアル品川)
第2試合 永盛楓人(free bird mejirodai)

第2節終了時点での順位
第1位 free bird mejirodai(勝ち点6)
第2位 埼玉T.Wings(勝ち点3)
第3位 パペレシアル品川(勝ち点3)
第4位 buen cambio yokohama(勝ち点0)

見逃した方はこちらから!
【buen cambio yokohama vs パペレシアル品川 】
【free bird mejirodai vs 埼玉T.Wings 】

(校正・中村和彦、佐々木延江、そうとめよしえ)

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