9月10日(日)、「第9回JPAF杯パラアーチェリートーナメント大会」が埼玉県障害者交流センターで行われ、国内のパラアーチャーが集結した。
東京パラリンピックで活躍した上山友裕(三菱電機)・重定知佳(林テレンプ)がそれぞれ個人戦で優勝。今年7月にチェコで行われた世界選手権ではミックスで銅メダルを獲得しており、来年のパリパラリンピックへの弾みをつけている。
JPAF杯は、2014年から始まった大会。国際大会の基準を満たした唯一の大会で、国際大会においてメダルを獲得できる選手を育成するという目的で開催されている。
上山はリオ・東京と2大会連続でパラリンピックに出場し、日本のトップを走り続けている。今大会も6連覇を飾ったが、この大会での「全試合ストレート勝ち」は初めて。その秘密は、フォームの改造だ。
弓を引ききる際、あごが右手に乗っているが、ポイントは力の使い方。腕だけで引くのではなく、肩甲骨もうまく使う方法を探し続けた結果、安定した軌道が確保できるようになったという。決勝での最後の1射では、放った瞬間に10点を確信した表情が印象的だった。
来月には「アジアパラ競技大会」(中国)、11月にはパラアーチェリーアジア選手権(タイ)が控えており、手ごたえは十分のようだ。
パリに向けては「まだ取っていないのはパラリンピックのメダルだけなので、ぜひ取りに行きたい」と意気込みを口にした。
7月の世界選手権で銅メダルを獲得した瞬間、「パリの枠を取りたかったので本当にうれしかった」と涙した重定は、その後体調不良が続いており、どうにか今大会に間に合った。東京パラリンピック後からは弓などの重さを下げ、安定性を重視したプレーを追及している。
今後の「うえしげペア」の活躍にも注目だ!
(写真はすべて筆者撮影、校正・佐々木延江)