8月20日「バーミンガム2023 ブラインドサッカー女子世界選手権」7日目。日本は決勝進出をかけてインドと対戦した。インドのディフェンスに対して決定的な機会を作れず、今大会初めて無得点で終えた。PK戦で5人目のキッカー、竹内真子キャプテン(背番号7)が決め、決勝への切符を掴んだ。
インドとは去年11月にアジア・オセアニア選手権で2度対戦し、2-0/1-0で勝っている。事前のビデオチェックで「相手の成長に不安と焦りを感じるもそれを消化して」ピッチに立った選手たち。竹内キャプテンは「噛み合わなかった」という。インド選手の素早いチェックに対して戸惑いがみられ、パスが繋がらなかった。エース菊島宙(背番号10)のシュートも力強さに欠けていた。交代でピッチに立った今大会3得点の島谷花菜(背番号13)も思いっきりのよいプレーが影を潜めていた。個々のパフォーマンスが上がらないまま第1ピリオドを終えた。
竹内キャプテンは「声かけで雰囲気を変えようとした」が、第2ピリオドになってもなかなか本来のリズムを作れない。11分の菊島のシュートなど良い兆しは見えつつも得点に至らず。第2ピリオドも0-0で終了し、そのままPK戦となった。
ゴールキーパーの寺林は、「合宿の度に練習はしてきたが苦手意識があった。とにかく、自分が全部止めるぞ、という気持ちでPK戦にはいった」と振り返る。
4巡目まではバーに嫌われる惜しいシュートもあったが成功しなかった。5人目の竹内のシュートがようやく決まった。竹内は「右上隅を狙った。ボールを蹴った足の感触もとてもよかった」と語った。そして、インドの5人目を寺林がきっちり止め、勝ち切った。
山本夏幹監督は「中盤のボールロストが多く、ボールが循環せず、自分たちのリズムを作れなかった。そこを反省、修正して決勝にのぞみたい。(日本のサポータに対して一言)やることを精一杯やります。是非ご覧ください」と語った。
決勝は、8月21日 27時(日本時間)キックオフ、当初から想定していたアルゼンチンと戦う。Yohana Aguilar(背番号10)、Gracia Sosa Barreneche(背番号8)など個人で決め切れる選手のいるチームだ。日本では朝の3時と早い時間だが、JBFA公式チャンネルで日本語実況によるライブ配信が予定されている。日本女子が歴史を作る瞬間をぜひ目撃しよう。
(校正・中村和彦、佐々木延江、そうとめよしえ)