「バーミンガム2023IBSAワールドゲームズ ブラインドサッカー男子世界選手権2023」が女子と同じバーミンガム大学バーンブルックサッカー競技場で8月15日開幕した。世界選手権の開催は8回目。
すでにパリパラリンピックへの出場を決めているフランス、トルコ、モロッコ、中国に加え、各大陸別選手権で参加資格を得たイングランド、スペイン、ドイツ、イタリア、マリ、タイ、日本、イラン、ブラジル、アルゼンチン、コロンビア、メキシコの計16カ国が参加する。
日本代表はこの後者の12カ国の中で上位3位内に入ると、パリ行きが確定する。ワールドランキング上位16カ国のうち15カ国が参加する中、4カ国づつ4つのグループに別れてグループステージを戦い、上位2カ国が準々決勝に進む。
パリ行きのためにはこのグループステージ突破が必須となる。日本はグループAでイタリア、タイ、トルコの順で対戦する。7月29日の壮行会で中川英治監督は「この3カ国とは、過去2年のうちに全て対戦している点でラッキーな組み合わせ」と語った。
本日の対戦相手イタリアは、今年6月にフランスで開催されたブラインドサッカーグランプリ inフランス2023で11点を決めた強烈なストライカーPaul Iyobo (背番号7)を擁したチームで世界ランキングは16位(日本は4位)。日本は、22年6月にベルリンで対戦し、3−1で勝利している。Iyoboをどう抑えるかが鍵となっていた。
試合は川村怜キャプテン(背番号10)、佐々木ロベルト泉(背番号3)、平林太一(背番号6)、後藤将起(背番号8)、佐藤大介(背番号1)が先発した。
第1ピリオド、攻守の切り替えの早い展開でゲームが進む。お互いにペナルティーエリア外からのシュートが多い中で、日本は平林の右から高速ドリブルでカットインしてのシュートなど新しい攻めのパターンを披露した。開始9分、その平林が左からカットインしてゴール正面やや右からファーサイドへのモーションの早いシュートを決め、日本が先制する。その後も、黒田智成(背番号5)や園部優月(背番号14)などを送り出しながら、日本が相手陣内にドリブルで持ち込み押し気味に試合を進める。
第2ピリオドに入っても日本が相手陣に攻め込むことが多く、川村、鳥居健人(背番号11)が相手ペナルティーエリア付近で惜しいシュートが4本ほどあった。
一方で強烈なストライカーIyoboに対しては、川村がメインにケアし、彼が日本サイド内でボールを持つと3人、4人とブロックにいき決定的な仕事をさせなかった。
だが、残り43秒でアタッキングサード右サイドのIyoboが一旦、逆サイドにボールを振り、再度、パスが彼に戻った際に、日本のチェックが川村と佐々木の二人のみで彼の左足へのケアが遅れた。その結果、ペナルティエリア内から左足でゴールファーサイドへのシュートを決められ土壇場で追いつかれてしまった。その後、日本はコーナーキックを得るがゴールを決められず試合終了、大切な勝ち点3を逃す結果となった。
試合後、川村キャプテンは「1点を失うことは想定内だったが、決めなければいけないシーンで決めきれなかったことに課題を感じる。初戦の緊張感、相手のプレッシャーがあったのかもしれない。明日は試合がないので心と体を整えて次のタイ戦で勝ち点3を取れるように頑張りたい」と語った。
このクラスの対戦になると、いかにプレッシャーの少ない状況でペナルティーエリアに侵入して、かつ決め切るかが必要となってくる。それは一人でこじ開けるというよりは、パスの交換などで相手を引き剥がすことがポイントとなる。そういった動きを次の試合では期待したい。
日本の次の対戦は、8月17日 20:30(日本時間)にタイと対戦する。タイとの直近対戦は、22年のアジア・オセアニア選手権の準決勝。その時はPKで敗れている。勝ち点3を取れるよう、是非、JBFA公式Youtubeチャンネルにてライブ観戦と共に声援を届けてほしい。
(校正・中村和彦、佐々木延江、そうとめよしえ)