8月6日、マンチェスター2023パラ水泳世界選手権7日目、最終日。
日本代表は10人が予選に出場、5人が決勝に進んだ。
男子400メートル自由形S11(全盲)では、富田宇宙(EY Japan)が予選6位からタイム・順位をあげたが4分38秒67で東京パラリンピック銀メダリストは4位に終わった。富田は東京後、パリに向けてスペインを拠点に練習している。
男子200メートル個人メドレーSM13(弱視)では、日本チームキャプテン齋藤元希は予選4位で通過、決勝でタイムをあげることができず2分18秒11、7位に終わった。
齋藤は、世界選手権にむけ距離の練習に力をいれた。「個人メドレーでは世界との差をみつめたい」と話していた。
女子100メートルバタフライS14(知的障害)では、木下あいら(大阪府)が、東京パラリンピック銀メダリストLEONHARDT Paige(NZL)と同着(1分8秒19)4位で予選通過し、決勝で1分6秒95とあげたが、5位に終わった。木下はリレーを含め5種目に出場。初の世界選手権を終えた。
女子100メートル平泳ぎS8(肢体不自由)では、福田果音(KSGときわ曽根)が4位、宇津木美都(大阪体育大学)が5位で予選通過、決勝では、宇津木がタイムを上げて1分27秒88で4位、福田は6位に終わった。
日本代表は、金メダル1個、銀メダル4個、銅メダル5個、合計10個のメダルを獲得した。
大会全体では、7日間で21の世界記録、49の大会記録、15のアジア記録が樹立された。
<日本選手による大会記録>
男子100メートル平泳ぎS14 山口尚秀(四国ガス) 1分3秒71
<日本選手によるアジア記録>
女子200メートル自由形S14 木下あいら(大阪府) 2分1秒83
女子200メートル個人メドレーS14 木下あいら(大阪府) 2分24秒32
男子200メートル個人メドレー 南井瑛翔(近畿大学) 2分21秒40
ウクライナのS11(全盲)、3つの世界記録で木村・富田を圧倒
戦争が続くウクライナのS11クラスに富田とエース木村敬一(東京ガス)の前に強大なライバルが現れた。
特に100メートルバタフライと200メートル個人メドレーで2つの世界記録を樹立したCHUFAROV Danyloである。
CHUFAROV Danyloは、2019年ロンドンで富田がそうであったようにクラス変更でS11に舞い降りた。S13(弱視)で北京パラリンピックから活動、東京パラリンピックでは1つ障害の重いS12クラスだった。200メートル個人メドレーと400メートル自由形ではS12の世界記録保持者でもある。彼らウクライナ人の存在は、パリに向けた木村・富田に新たな闘志を灯したはずだ。
(Photo/Sam Mellish/Manchester 2023 LOC 校正・そうとめよしえ)