2023年4月8〜9日「Powered by JATCO 横浜F・マリノスカップ 第18回電動車椅子サッカー大会」 が神奈川県立スポーツセンターで開かれた。本年10月にオーストラリア・シドニーで開かれるワールドカップに出場する日本代表がエキシビジョンマッチに出場し、マリノスカップ選抜チーム／優勝・準優勝チーム（FCクラッシャーズ・YokohamaCrackers）と戦った。ワールドカップの目標であるベスト4以上を目指す選手達に弾みをつけた。
エキシビジョンマッチ ワールドカップ2023日本代表とマリノスカップ選抜チーム／優勝・準優勝チームとの対戦
ワールドカップに参戦する日本代表8名がエキシビジョンマッチに参加した。初日に行われたマリノスカップ選抜チームとの試合は2−1で日本代表が勝利した。本項では筆者が観戦した2日目の優勝・準優勝チームとの対戦について詳述する。
日本代表は、三上勇輝、塩入新也、山田貴大、内海恭平、優勝・準優勝チームは永岡真理、太田大皓、飯島洸洋、森山一樹が先発した。試合早々、三上が初シュートを放つ。その後、パスをつなげて攻めるも決めきれず。前半10分、セットプレーから山田、三上とつないでゴールを決める。その直後に、優勝・準優勝チームの飯島、太田とつないで右隅にシュートを決めて同点に追いつく。池田恵助が三上と交代で入るも、そのまま1−1で前半は終了。
後半、日本代表は、中山 環、宮川大輝、平西一斗、内海、これで日本代表全員がピッチに入った。優勝・準優勝チームは、永岡、佐藤虎汰朗、紺野勝太郎、飯島。相手陣内でボールを回し、何回かCKのチャンスを得た日本代表だったがゴールならず。後半15分辺りから優勝・準優勝チームの動きが良くなり攻める機会が増えると、試合終了直前の後半20分、優勝・準優勝チームの飯島のセットプレーから、 永岡、太田とパスをつないで2点目。
試合はそのまま終了し、1−2で日本代表が敗れた。敗れはしたものの、ワールドカップ出場までに取り組むべき課題が明確になった今後につながる試合となった。
インタビュー
日本代表 近藤公範監督
Q:マリノスカップに参加して得たものは？
A:今回代表チームが発足して半年は経っていないが、課題がたくさん見つかり、これからチームとしてワールドカップに向けて全員でやらなくてはならないことがはっきりした。プレーもそうだが、個々の力をしっかりつけることと、後はどういう状況でも負けない気持ちがすごく大事やなと今回思いました。
Q:決勝・準決勝チームから得られた手応えは？
A:結果的に良い結果は得られなかった。仲間を信頼することや仲間同士がつながっていくことが、相手チームの方が代表チームよりも上回っていたと感じました。そこを代表としても強化していきたい。
日本代表 内海恭平キャプテン
Q:マリノスカップで得たものは？
A:日本代表が発表された去年10月以後、合宿を積み重ねて、この大会ではやりたいことをメンバーで共有して、体現できたと思ってます。まだまだ点が取れていないので、そこを修正していきたい。
Q:相手に対する手応えは？
A:相手がドリブルで来る時に、それに付き合わずにどうパスを回しながら攻めていくか。ずるずる付き合ってしまうところがあるので、どう打開していくか、日本代表らしいサッカーをするかについて考えていきます。
Q:日本代表が目指すサッカーとは？
A:ドリブルからパスをつなげてゴールを目指す、4人が連係連動して、（代わったメンバーも含めて）チームメンバー全員でパスを回しながら点を取っていくというスタイルを目指していくことです。
日本代表紹介
氏名／スポーツクラス／所属チーム
2 池田 恵助／想定PF2／愛知県 DKFBCディスカバリー
7 三上 勇輝／PF2／神奈川県 Yokohama Crackers ※副キャプテン
8 塩入 新也／PF1／鹿児島県 Nanchester United 鹿児島 ※副キャプテン
9 中山 環／想定PF１／神奈川県 Yokohama Crackers
10 宮川 大輝／想定PF１／大阪府 大阪ローリングタートル
11 山田 貴大／想定PF１／兵庫県 Red Eagles兵庫
17 平西 一斗／想定PF2／愛知県 DKFBCディスカバリー
77 内海 恭平／PF2／兵庫県Red Eagles兵庫 ※キャプテン
詳しくはこちら
FIPFA POWERCHAIR FOOTBALL WORLD CUP 2023情報
これまでのワールドカップにおける日本代表の戦績は、2007年4位、2011年5位、2017年5位。今大会の日本代表はベスト4以上を目標としている。
日程:2023年10月15日（開会式）〜21日
開催都市:シドニー（オーストラリア）
参加国：アルゼンチン、オーストラリア、デンマーク、イングランド、フランス、アイルランド、北アイルランド、ウルグアイ、アメリカ、日本 の10ケ国
公式ページ：https://www.fipfawc2023.org/
（写真取材・内田和稔/編集協力・中村和彦）
Author: そうとめよしえ
福島市出身、横浜市在住。ワークショップデザイナー、LEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎メソッドと教材活用トレーニング修了認定ファシリテーター。 パラフォトには平昌パラリンピックからサポートとして参加。今はパラスポーツのファンとして、選手の活躍を伝える記事を書いたり写真を撮ったりしています。
